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【特集】阿里巴巴(アリババ)集団、米国上場目前!?日本企業が学べること

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005中国eコマースの巨人・アリババ - アリババ・ドットコムが育った道

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2014年9月にアメリカ証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を目指している中国のEコマース(電子商)取引の最大手企業であるアリババ・グループ・ホールディング( Alibaba Group Holding/阿里巴巴集団)。前回コラムではアリババが立ち上がるまでの歩み、そして立ち上げ直後の資金調達が必要な状況で、アリババの創立者・馬雲(マー・ユン/Jack Ma)氏と馬氏に惚れてアリババに加入した蔡崇信(ツァイ・チョンシン/Joseph Cai、現・アリババ執行副会長)氏の両氏の絶妙なコンビネーションでソフトバンク、ヤフー社を率いる日本を代表する実業家・孫正義氏らから2500万米ドル(約25億円)の資金を引き出すことを成功したというエピソードをご紹介しました。

今回は資金調達に成功したアリババが、第1の柱でB2B(企業間取引)サイトであるアリババ・ドットコムをどのように成長させていったかに迫ります。

アリババのB2Bサイトは主に3つに大別されます。

  • Alibaba :国を跨いだ世界的取引のためのサイト
  • 1688 :中国国内取引のためのサイト(1999年6月、Alibabaと同時オープン)
  • Aliexpress :小口取引が可能である卸売りサイト(2010年4月オープン)

(Alibabaと1688についてはターゲットが違うだけで、仕組みは同じです)

Alibabaオープン当初は、

譲天下没有難做的生意
(世の中にはできないビジネスはない)

不要盯着客戸口袋里的5元銭,你們是負責幫客戸把口袋里的5元銭先変成50元銭,然后再从中拿走5元銭
(顧客のポケットの中にある5元を見るな。まずはそのポケットの中の5元を50元に変えるよう手助けしなさい。その後にそこから5元もらいなさい)

如果客戸只有5元銭,你把銭拿来,他可能就完了,然后你再去找新的客戸,那是騙銭。客戸都完了,穷了,阿里巴巴也就完了
(もし、顧客が5元しかお金を持っていなくて、それを持って行ったら、顧客はたぶん終わる。もし君がその後新しい顧客を探しに行ったらそれは騙し取りだ。顧客は終わる。貧しくなる。アリババも終わる)

という使命、

独孤九剣
(型なしで型ありに勝つ)

という価値観、

そして無辺際の中国の中小企業に対してできるだけハードルを低く、マーケットに活気を持たせる、インフォメーションフロー(情報の流れ)を明確に無限のビジネスチャンスを提供するという観点からスタート当初、完全無料でサービスを提供しました。

中国のビジネスというのは昔から今日の利益を追求する傾向が強く、信用や誠実さという面では程遠いものでしたが、対してアリババは信用・誠実さを重視して中小企業を中心に顧客を拡大していきます。

開設直後の1999年末で会員数8万でしたが、2000年前後は海外小売業者がこぞってプライベートブランドを立ち上げた時期。日本でもイオンのトップバリュが拡大していた時期でした。プライベートブランドを広げるためにはローコストのサプライヤーを探す必要があり、そこで注目されたのが製造技術が向上し始めた中国、そしてハイクオリティのサプライヤーを探すことができるアリババドットコムが注目され始め、2001年7月までで会員数を73万に伸ばします。

順調に会員数を伸ばしますが、資金はそれまでに受けた出資だけ。継続した収入・課金モデルを作っていかなければ当然のことながら事業は立ち行きません。最初は広告以外で収入源が全くない状態でしたから。

収益化対策の一環として、まず2000年8月に「中国供応商」(Gold Supplier)という国際向け有料サービスを始めます。

alizgys.jpg

それまでに膨大な無料ユーザーを集め、ありとあらゆる商品がアリババに集まっていた為、世界中のバイヤーから注目を受けていましたが、バイヤーたちとどのように繋がればいいのか迷うような会員に対して、Alibaba外国語サイトにおいて有料会員の商品の掲載・世界各国においての貿易展示品会等の有料会員出展支援・取引量を増やす施策に対するコンサルティング業務を行いました。
最初は年会費15,000元(当時のレートで約22万5千円)で2000社限定だったにも関わらず、枠はあっという間に埋まり、更に1万社にまで枠を広げ、年会費を4万元(約60万円)に釣り上げても順調に伸びていきました。海外相手のビジネスで年4万元の支出はコンサルティング料のようなもので、年間で各業者が得る事業の儲けからするとわずかな負担に過ぎなかったというのが大きかったのだと思います。

更に今度は2001年10月に「誠信通」という中国国内向けの有料サービスを始めます。

alicxt.jpg

こちらの年間費はわずか2300元(約3万5000円)に過ぎませんが、大きな役割を果たします。

現代においても中国のとても小さな業者と取引をしようとする際に不安に感じるのは、その相手の会社は存在しているのか、連絡がつくのか、連絡がついても担当者は会社を代表する(取引担当の)人間なのかという点ではないでしょうか。

誠信通は販売業者側に信用がある点をアリババが認証するサービスです。この認証を得ることでバイヤーに対しての信用を高めていきました。

誠信通有料ユーザーは、相手側の過去全ての取引結果・履歴を閲覧することができ更なる信用度の確認に活用できるようになります。

その後、無料ユーザーではメールか伝言掲示板でしか、相手側にコンタクトが取れなくなり、それでは取引に大きく支障を出すと焦ったユーザーたちが次々と誠信通に加入することで、こちらもわずかながらも収益を助ける結果となりました(当時、アリババの収益の70%は中国供応商、誠信通5%、広告収入8%)。

それらアリババが努力した結果、2011年12月27日にアリババドットコムの会員数は、100万を達成。ほぼ同時期に初の黒字化を達成します。

その後もアリババは2002年2月にJAIC(日本アジア投資)から500万米ドル、2004年2月にソフトバンクからの6000万米ドルの追加出資を含む総額8200万米ドル(他にフィデリティ、グラナイトグローバル、シンガポールファンドKPCB)の投資を獲得。ITバブル崩壊後の厳しい情勢でありながら高額の出資を受け続け、また本業アリババドットコムでも中国供応商、誠信通という2つの課金モデルを武器に成長を続けます。中国供応商は一時期年会費が12万元に跳ね上がった時期もあり、このような課金モデルによって例えば2004年単年の会員収入だけで4500万米ドル(約47億円)を稼ぐことができるようになっていました。

このように、会員に対して信用と誠実を売りに、完全無料からサービスを始めたアリババドットコム。まずは情報プラットフォームを築き上げ、次に、価値あるサービスを提供していく中で課金モデルを築き上げ、また新たな巨額の出資を得ることで、第一次成長期を過ごしていきました。

そして次の波はC2Cオンラインショッピングサイトの淘宝網(タオバオ)へと続きますが、次回はその淘宝網について触れます。


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著者情報

マスヤマトモアキ

増山智明

1975年北海道生まれ、2005年に語学を全く勉強せずに、単身中華人民共和国に渡航。 しかし、渡航1ヶ月未満で日本語が分からない中国人女性と出会い、中国語がたどたどしいのに更に5ヶ月後にスピード入籍。度胸があればなんでもできちゃう!? 中国では外資系ウェブ関連企業にて勤務していたが退職して、2014年5月に日本帰国。中国人妻と3歳の双子の男の子を抱えながらの生活。おカネのために中国関連の輸出入業始めました。

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増山智明

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