ノウハウをいつでも。ウェブマーケティングのポータルサイト

【特集】阿里巴巴(アリババ)集団、米国上場目前!?日本企業が学べること

マーケティング

006中国C2Cの王者・淘宝網(1)アリババ参入前に立ちはだかったeBayの壁

このエントリーをはてなブックマークに追加
      
follow us in feedly
友だち追加数
2014年9月にアメリカ証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を目指している中国のEコマース(電子商)取引の最大手企業であるアリババ・グループ・ホールディング( Alibaba Group Holding/阿里巴巴集団)。前回コラムではアリババの最初の成功モデルであるアリババドットコムについて、ご紹介しました。

今回は、2003年5月にアリババが立ち上げた今や中国だけに留まらず世界的なC2C(消費者間取引、ネットオークション的もの)サイトへと成長した淘宝網(タオバオ/Taobao)について、2回に分けてご紹介します。

まず、淘宝網そのものを語る前に、取り上げておかなければいけないのが、淘宝網がオープンする前に、中国のeコマースをリードしていた中国eBay(易趣網)の存在です。

each.jpg(画像出典元)

中国eBayの前身となる易趣網は、アリババ創立にわずか3ヶ月遅れの1999年8月にアメリカ・ハーバード大学を卒業した邵亦波(シャオ・イーボー)氏と譚海音(タン・ハイイン)氏の上海人2人によって法人を設立。翌2000年5月にC2Cサイト・易趣網(Eachnet)がオープンしました。

易趣網が採用していたビジネスモデルは、

  • 売り手が易趣網に出品する際に、出品手数料として1件あたり1~8元を負担する
  • 売買が成立したら、コミッションとして成約金額の0.25~2%を売り手が負担する

つまりは、アメリカのebayの手法をかなり真似ていました。

当時、邵氏と譚氏のような在来の概念にとらわれず、広い視野と柔軟な発想を持つ海外滞在経験のある起業家が外国で成功しているビジネスモデルを持ち込み起業した例がいくつもありました。

    • 百度(Baidu,ニューヨーク州立大学バッファロー校に留学した李彦宏が立ち上げた中国最大の検索エンジン)
    • 捜狐網(Sohu,マサチューセッツ工科大学に留学した張朝陽が立ち上げたポータルサイト)
    • 携程網(Ctrip,イェール大学に留学した瀋南鵬、ジョージア工科大学に留学した梁建章ら4名で立ち上げたオンライン旅行予約サイト)
    • 当当網(Dangdang,ニューヨーク大学に留学した兪渝が夫と立ち上げたB2Cサイト)

など

易趣網は当時100ほどの競合があり、吹き荒れていたITバブル崩壊の煽りを受けてライバルがどんどんと沈んでいく中で、わずか1年ほどで当時の中国におけるインターネット人口の10%に相当する会員数約230万人、取扱品目約4万5000件、取引総額約3億元(当時のレートで約42億円)を獲得しました。

そんな快進撃を見逃さなかったのが他ならぬ「本家」eBay。1999年に日本市場へ参入するも技術的トラブルでサイトオープンが遅れ、1999年9月28日にオープンしたYahoo!オークション(現・ヤフオク!)から約5ヶ月遅れのオープンとなった影響、日本語ローカライズの遅れ、そしてYahoo!オークションが当初取っていた完全無料化施策でシェアをほぼ独占状態にまで引き離したため、2002年3月末で日本市場から撤退することになり、日本での過ちを繰り返さぬように易趣網に目をつけたのでした。

eBayの日本撤退とほぼ同時期に易趣網とアメリカeBayが3000万米ドル(約37億5000万円)で戦略提携を結び、更に2003年6月にはeBay1億5000万ドル(約172億5000万円)で易趣網を100%買収。中国のC2Cサイトとして最大90%のシェアを得るほどに成長しました。

そんなeBay易趣網1強ムードの中で、アリババは中国語で「宝物を探す」ことを意味する淘宝(タオバオ)網という名前でC2C業界に参入します。

先にも述べましたが、eBay易趣網は欧米の商習慣をよく理解して成功を収めたeBayのビジネスモデルを利用しています。

対してアリババが取った戦略は、それとは逆を行く中国ローカル戦略でした。2000年9月に出した「3つのB2C戦略」(Back to China,Back to Coast,Back to Center)に基づいているとも言えるでしょう。

2003年時点で中国のインターネット人口は、アリババが設立された1999年の約9倍にあたる7950万人へ急成長していましたが、ネット普及率はわずか6.2%に過ぎず、インターネットおよびC2Cオークションサイトが、中国ではまだ成熟し切ってはいませんでした。そこで、eBay易趣網と同じような有料制では市場の成長とシェア拡大を阻むのではないかと考え、それまでに受けた投資やアリババドットコムの有料会員サービスで得られた多額の資金をもとに、「3年間完全無料」を打ち出します。

eBay易趣網からのシェア切り崩しとして、次に打ち出したのが中国では定番とも言える「口コミマーケティング」。

当時の中国主要ポータルサイトと独占契約することで、競合他社へウェブアクセスを流さないよう抑制していたeBay易趣網に対して、バスや地下鉄などの公共交通手段やテレビなどのメディアで大規模な宣伝を打つことで認知度を上げていきました。

こうして顧客をアリババ・ドットコム同様、順調に獲得していくのですが、ただサイトに来てもらうだけが目的ではなく、いかに透明性を保ちながら健全なショッピングモールとして運営していくかにはいくつかの仕組みが有効的に働きました。次回はタオバオが躍進できた仕組みの中身について、触れていきます。

© MAKEPO

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
   
follow us in feedly
友だち追加数

著者情報

マスヤマトモアキ

増山智明

1975年北海道生まれ、2005年に語学を全く勉強せずに、単身中華人民共和国に渡航。 しかし、渡航1ヶ月未満で日本語が分からない中国人女性と出会い、中国語がたどたどしいのに更に5ヶ月後にスピード入籍。度胸があればなんでもできちゃう!? 中国では外資系ウェブ関連企業にて勤務していたが退職して、2014年5月に日本帰国。中国人妻と3歳の双子の男の子を抱えながらの生活。おカネのために中国関連の輸出入業始めました。

他の参加者を見る

増山智明

関連記事

マーケティングノウハウ足りてますか?

MAKEPOのメルマガ…購読してみませんか?
直近のピックアップ記事のほか、セミナー・ツール活用情報など不定期でお伝えしています。「サイトにアクセスするのは面倒だ!」「電車の中でざっくり読みたい」という方は是非ご登録ください。 リアルタイムで情報取得をしたい方は、RSSまたは公式Twitterをフォローしてご覧ください!

通勤中の情報収集に!

メルマガ登録

いますぐ新着情報を知るなら

LINE@で友だちに追加!