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【書評】気になるあの書籍は、マーケティングにこう役立てろ!?

マーケティング

001【書評】 『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』

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"自社で取り扱う商品やサービスの認知度を少しでも高めたい"、ひいては"売上アップに繋げたい"と願うマーケッターなら、誰しも一度や二度は広告やメディアの持つ力に頼りたいと思ったことがあるでしょう。それは「広告を出稿したりメディアで取りあげられたりして、どこかで目にしてもらうことさえできれば、必ず買ってもらえる」と思い込んでいるからではありませんか?

「広告やメディア=手っ取り早く、多くの人にリーチができる場」と思っていると、「伝えたい情報が露出する場は、とにかく多いに越したことはない、見てもらう人も多ければ多い方がいい」と短絡的に考えてしまいがち。

そんな幻想を見事に打ち砕いてくれるのが、今回ご紹介する『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』です。

インターネットやスマートフォンの出現がもたらした真の変化


「できるだけたくさんの消費者に、たくさんのメディアを通じて、自社のメッセージをリーチさせればさせるほど、マーケティング・コミュニケーションは成功に近づくはずだ」というような、盲目的な「メディア横断×リーチ拡大志向」は誤りだ

LINE株式会社 上級執行役員であり、本書の共著者である田端信太郎氏は、こう断言します。

それは、なぜか。答えのヒントは、この挑戦的な本書のタイトルに隠されています。

"もう" あきらめなさいということは、言うまでもなく、"かつて"人は広告やメディアで動かせていた時代があるということです。その"かつて"とは、「インターネットやスマートフォンの出現以前」を指しています。ここにソーシャルメディアの普及がともない、どんどんコントロールが効かなくなってしまったというわけです。

では、なぜインターネットやスマートフォンの出現によって、広告やメディアで人は動かなくなってしまったのでしょうか。

単に、広告やメディアの総量が増え過ぎて、人が自分の裁量で自由に使える「可処分時間」の奪い合いになったからというのは、「あくまでも表面的な現象に過ぎない」と田端氏は言います。そうではなく、根本的な最大の要因は、「テクノロジーがメディア環境の前提条件を大きく変え、一般ユーザーにメディア空間上の「編集権」「編成権」を移行させてしまった」ことにあると。

これを政治にたとえ、コミュニケーションやメディアに関わるビジネスの世界で"政権交代"が起こっていると表した上で、有権者である一般ユーザーに向かって、一方的な「演説」ではなく、心の通った「会話」をする姿勢を見せる重要性を説いています。



「あきらめるべきこと」と「あきらめるべきでないこと」


タイトルで"あきらめなさい"なんて言われると、なんだか悲観的な話ばかりなのかと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。むしろ、「多額の広告予算を持たず、これまでの既存マスコミに取り上げてもらいにくかった個人や小さな企業も平等に成功するチャンスが広がっている」とエールを送り、本書の後半では、多くの人を動かしてきたお二人の経験をもとに、動かしたい人数にあわせた人を動かすためのポイントが解説されています。

また、「編集権」や「編成権」が一般ユーザーに移ってしまった今、人を動かすためにできることについてのアドバイスも添えられており、決して人を動かすこと自体をあきらめろと言われているわけではないのです。

とはいえ、本書に書いてあることは、すでにソーシャルメディアを使って真剣に一般ユーザー(≒お客さま)と向き合っているマーケッターの方であれば、周知のことばかりかもしれません。

けれども、その肌感覚で感じていることを言語化して、上司にうまく伝えられている人は少ないのではないでしょうか。


  • 無料でできるなら、とりあえずやってみろ
  • こんなにリーチが少なくて、やっている意味はあるのか?
  • 売上が上がらないなら、やめろ
  • とにかく、いいね!を増やせ
  • 短期間で目に見える効果を上げろ

こんなことを一度でも言われたことがある人は、ぜひ上司に本書を差し出してみましょう。それが難しければ、自身で読むだけでも、きっと上司を説き伏せる武器を手に入れることができるはずです。

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。

  • 著者:本田 哲也, 田端 信太郎
  • 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

インターネットの普及などにより流通する情報量が爆発的に増える一方、生活者はネットやHDDレコーダーなどを活用し、自分で情報を選択するようになっています。そんななか、旧来のマス広告やメディア露出では、昨今、人は動かなくなっています。

「人を動かせない時代」に「人を動かす」ヒントがここにある!

© MAKEPO

 
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著者情報

ノモトマドカ

野本纏花

1983年生まれ。元マーケターのフリーライター。2011年よりWriting & Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。 All About インターネットサービス ガイド。MarkeZine、ライフハッカー[日本版]、サイボウズ式、roomie、HRナビなど、Webを中心に様々な媒体で執筆を重ねる。 共著『ひとつ上のFacebookマネジメント術』[技術評論社]

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野本纏花

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