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【書評】気になるあの書籍は、マーケティングにこう役立てろ!?

マーケティング

008ジュリエット・B.シェアー著 『子どもを狙え! キッズ・マーケットの危険な罠』

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本書の原題は『Born To Buy』。
世界的大ヒットとなった名曲を思わせるタイトルですが、内容も実に刺激的です。
アメリカ社会におけるキッズマーケットの実態と、子供を巡るさまざまな危険性に警鐘を鳴らしているのです。

本書の中で使われているデータや理論はアメリカ社会に基づいたものですが、現代日本社会にも通じるものが数多くあり、日本のキッズマーケットにおいても有効な情報が多数掲載されています。

「子供が欲しがる理由」を徹底解明

本書では、キッズマーケットの中心である子供たちについて、知らず知らずのうちに危険や罠に取り囲まれている現況を指摘しています。

本書の著者は、ボストンカレッジ社会学部教授であり、自身も二児の母であるというジュリエット・B・ショア氏。
徹底的なフィールドワークと鋭い分析力で、これまでにも『働きすぎのアメリカ人』や『浪費するアメリカ人』といったベストセラーを送り出しています。

本書は2004年末にアメリカで発行され、すぐに大きな反響を呼びました。
ワシントンポストの書評では「国民全員のマストリード」と絶賛され、インターネット上でも数多くの書評が書き込まれているほどです。

本書を読み終えて思うことは、アメリカにおいても日本においても、いかに子供たちがメディアと危険な関係にあるかということ。
テレビやゲーム、インターネットといったメディアはもちろん、学校の民営化や子供に擦り寄る調査員といった存在も、子供を蝕む消費文化を拡大させていくのだといいます。

多くの親たちは、「子供たちは何でも欲しがって困る」と思っているのではないでしょうか。
しかし本書を読むことにより、それが実は「メディアによって、子供たちが欲しがるように育てられている」のだとわかるのです。

キッズ・マーケットの仕組みを丸裸にする

日本では少子高齢化が進み、子供一人あたりに使われるお金の額が年々増加しています。
子供を見守る大人にしても、「より良い教育・品物を子供に与えたい」という思いが強くなっているといえるのではないでしょうか。

しかし、お金をかけることと子供の感じる幸せが必ずしもイコールにならないことを、本書は指摘しています。

本書の第一章『マーケットに呑みこまれていく子どもたち』は、子どもを持つ親御さんにはまさに必読。
メディアがいかにして「子どものためになる」と思わせているか、大人も子供も商業主義に呑みこまれているか、改めて思い知らされる内容となっています。

また、第三章・四章では「コマーシャル」について分析。
普段何気なく見ている広告について、功名に隠された意図やメッセージが明らかにされていて、多くの読者がその事実に愕然とするのでは。

キッズ・マーケットについて知ることは、本当の幸せを知ること

本書はキッズ・マーケットでお金を儲けるための本ではありません。
効率よくキッズ・マーケティングをするためのガイドでもありません。

世界中の先進国で起こっている、商業主義とメディア産業の悪影響について警鐘を鳴らし、多くの消費者に危険性を訴える一冊となっています。
本書を読めば、メディアから発信される情報に受け身であった自分に気付き、「消費させられている」という真実に気がつくのではないでしょうか。

著者は消費ばかりが先走る生活を危惧し、消費させることに力を注ぐ企業を批判しています。

特に子供たちにおいては、生まれて間もないうちから消費することを教えられ、メディアの導くままに商品を欲しがる生き方をしている、と指摘。
企業が大人や親を除外し、子供自身と「共同戦線」を張っていることを明らかにしている点は、本書のもたらす功績の一つといえるのでは。

メディアと子供の関係によって親子間に溝ができている、というのが著者の考えです。
「おねだり」によって親と子の心がすれ違い、ショッピング好きな子供は親子で楽しむ時間の幸福さを感じられない・・・。
日本の育児家庭でも、こんなシーンには心当たりがあるのではないでしょうか。

今後ますます子供を取り巻くマーケットは拡大することが予想され、子供たちが消費する金額は右肩上がりになるといえます。
子供たちを商業主義から守るためには、大人も商業主義から脱出する必要があります。

メディアだけでなく、タバコやアルコール、ドラッグといった危険から子供たちを守るためにも、一人でも多くの大人に本書を一読して欲しいと思います。
特に子供のいる家庭、これから子供を育てようと思う人には必読です。

自身を取り巻く商業主義について知るために、中高生にも読んで欲しい内容だといえます。
本書は、今後の日本社会の中で商業主義に踊らされない生き方を模索するために、とても有効な一冊となっています。

子どもを狙え! キッズ・マーケットの危険な罠

著者:ジュリエット・B.シェアー
出版社:アスペクト

「買うために生まれてきた子どもたち」本書を読み終えた読者は、この表現が誇張ではないことを理解できるはずだ。子どもたちの無意識をも呑みこんでいく、驚くべきマーケットの現実がここにある。

© MAKEPO

 
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著者情報

サリュ

saryu

経歴:東京都在住。3児の母。育児の合間を縫ってフリーライター活動を始め、現在は学校と幼稚園の役員をしながら在宅ワーク中。趣味は読書、特技は妄想で、時々家族に心配されます。

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