ノウハウをいつでも。ウェブマーケティングのポータルサイト

相手は手強い!?掴んでおきたい、中国マーケット動向

マーケティング

005中国でLINEが規制対象に!? - 知っておくべき金盾の仕組みと裏事情

このエントリーをはてなブックマークに追加
      
follow us in feedly
友だち追加数

2014年7月1日夜あたりから、中国においてメッセージングサービスであるLINEにログインできなくなったという報告が微博(ウェイボー)上で数々投稿されています。

LINEの中国公式微博アカウントでは中国ユーザーがサービスを利用できない障害の存在を認めており、一部メディアでは中国国家側から規制されたのではないか?と疑う報道(中国語)も出ています。

7月3日現在で、Android版を最新の4.5.0にアップデートすると、利用できるという記述もありますが、iOS版ではまだ利用できていないようです。

今後LINEが中国から継続して利用できるのかどうか、今後の状況は全く分からずただ見守っていくしかありません。


LINEの状況とは別に、皆さんもご存知かと思いますが、現在中国ではYouTube、Twitter、Facebook、Flickr、Ustream。最近ではGoogle、Gmail、ニコニコ生放送などの日本でも有名なウェブサービスが利用できない(もしくは利用しにくい)状況にあります。

なぜ利用できないのか。それは中国側が表向きに情報統制をしているからで、「金盾」という技術を使っています。

では、「金盾」というものはそもそも何なのかを理解しなければいけません。今回コラムでは金盾の仕組みがどうなっているのか、中国に進出するインターネット企業は何をしなければいけないのかを解説していきます。

LINEchina.jpg

画像引用元

1993年に中国政府は金融などの情報化・電子政府化に向けて、金卡(電子貨幣)、金橋(公用経済情報)、金関(対外貿易)、金財(財政管理)、金農(農業情報)、金税(税収)、金水(水利情報)、金質(質量監督)など12項目の国家戦略プロジェクトを立案しました。

その中に実質上は公安通信ネットワークとコンピュータ情報システム管理の為の「金盾」プロジェクトも含まれていました。

ただし、1990年代の中国は、市場経済の導入により、特に金融分野の情報化を優先した為、具体的な計画の決定は1998年、国務院(中国の最高国家行政機関、内閣に相当する)が批准したのは2001年4月にまでずれ込みました。2003年9月に公安部(中国の警察機関)がプロジェクトを開始して、2006年5月19日にプロジェクトの第一期が完成しました。

中国西部地域の青海省・甘粛省・チベット自治区には、いくつもの電子監視所があると言われています。中国が打ち上げている衛星は、世界中の通信傍受のために機能、地上の大型パラボラアンテナに、アメリカ製のスーパーコンピュータが繋がれて無数の電子信号とともに、人工衛星を経由して送られる無数の電子メール・電話・インターネットの記録を傍受。キーワードを入力すると、重要な情報を引き出すことができ、軍用・商用プログラムに供給されるようになっている仕組みだと言われます。

グレートファイアウォール(防火長城)と呼ばれるものは「金盾」プロジェクトの中の一部分ではありますが、皆さんもよく知っていることでしょう。中国国内外で行なわれるインターネット通信に対して接続規制・遮断、市民の殆どの個人情報管理、個人のアクセス情報監視を人工知能的に行う大規模な検閲システムと言われています。

グレートファイアウォールシステムの詳細は当然国家機密であり、適用条件は非常に細かいでしょうが、簡単に説明するとこのような状況ではないでしょうか。

chinawebfiltering.png

主に、永久黒名単(永久ブラックリスト)・臨時黒名単(臨時ブラックリスト)、そして敏感詞(NGワード)をベースにしているものと見られます。

永久黒名単や臨時黒名単と呼ばれるものには、常時アクセスさせなくないサイト。例えばYouTube、Twitter、Facebook、Flickr、Ustream等々に対して、該当ドメイン(領域)に対して、偽の情報を発信して、インターネット上のDNSサーバ(ドメイン名を、インターネット上の住所にあたるIPアドレスと呼ばれる4つの数字の列に変換するコンピュータ)に伝播させることによって、インターネット利用者がそのドメイン内のサーバに到達できないよう妨害するDNSポイズニングという行為をシステム的に行なっています。

敏感詞は、中国側としては政治思想に関わり都合の悪い言葉、例えば六●天●門事件、法●功、台●独立等々をフィルタリングしています。

このようにして、国が管理しているものと見られます。

少し話をLINEに戻しますが、LINEは2013年5月頃に

LINEを利用するユーザーが中国本土のユーザーと認定されたとき、(NGワードに基づき)フィルタリングを行い内容の判断をする。これは中国の法規に符合させたもので、あらゆる中国大陸のネット企業が例外なく行う必要がある。

と、LINE台湾の関係者が公表していました。

これは金盾による規制ではなく、中国大陸のネット法人がICP(インターネットコンテンツプロバイダー)ライセンスと呼ばれる中国でウェブサイトを運営するための経営許可を受けて、その中でLINE側も自主的に中国国内のインターネット産業の保護の為に努める行為と言えます。

今の中国には、

  • Google ≒ 百度 (検索エンジン)
  • Skype ≒ QQ (インターネット通話・チャット)
  • Twitter ≒ 新浪微博 (マイクロブログ)
  • Facebook ≒ 人人網 (SNS)
  • YouTube ≒ Youku (動画配信サービス)
  • LINE ≒ 微信 (メッセージングサービス)

などというように、世界標準のサービスと同じようなものが中国に存在してユーザー数を大きく伸ばしています。中国でサービスを展開するために、営業許可を取り、関連法規を守りながら運営して顧客を獲得していかなければいけない。中国国外からウェブやモバイルサービスを提供するということは本当に簡単ではありませんし、とても苦労されているのだと思います。

ここまで見てきて、今の中国で新たにウェブやモバイルサービスを提供しようということに本当に難しいと思われたでしょう。確かに中国でサービスをするためのハードルは決して低いとは言えませんが、その一方で中国のインターネット人口は6億1800万人モバイルインターネット人口は6億8600万人と呼ばれており、少なくとも日本の総人口を軽く超える潜在顧客を抱えています。どんなにリスクが存在しても無視のできない市場です。

潤沢な資金力があれば、乗り越えていける可能性はありますが、土地や人件費が昔に比べると大きく高騰している今、ニッチなところを突いて勝負していくしかないかもしれません。

中国では海外のサイト・ウェブサービスに自由にアクセスできなくとも、ニッチなところにうまく飛び込めば、当コラムでも触れているように口コミでいくらでも拡大できるチャンスはあります。そのチャンスを生かすためにも今回書いた「負の部分」についても、よく知っておいて今後に生かして頂ければと思います。

© MAKEPO

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
   
follow us in feedly
友だち追加数

著者情報

マスヤマトモアキ

増山智明

1975年北海道生まれ、2005年に語学を全く勉強せずに、単身中華人民共和国に渡航。 しかし、渡航1ヶ月未満で日本語が分からない中国人女性と出会い、中国語がたどたどしいのに更に5ヶ月後にスピード入籍。度胸があればなんでもできちゃう!? 中国では外資系ウェブ関連企業にて勤務していたが退職して、2014年5月に日本帰国。中国人妻と3歳の双子の男の子を抱えながらの生活。おカネのために中国関連の輸出入業始めました。

他の参加者を見る

増山智明

関連記事

マーケティングノウハウ足りてますか?

MAKEPOのメルマガ…購読してみませんか?
直近のピックアップ記事のほか、セミナー・ツール活用情報など不定期でお伝えしています。「サイトにアクセスするのは面倒だ!」「電車の中でざっくり読みたい」という方は是非ご登録ください。 リアルタイムで情報取得をしたい方は、RSSまたは公式Twitterをフォローしてご覧ください!

通勤中の情報収集に!

メルマガ登録

いますぐ新着情報を知るなら

LINE@で友だちに追加!