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相手は手強い!?掴んでおきたい、中国マーケット動向

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007日本で苦戦するスマートテレビが中国では爆発的に伸びている!

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2013年6月に総務省が示した「放送サービスの高度化に関する検討会 検討結果取りまとめ」で示したロードマップをもとに、日本ではスーパーハイビジョン技術である「4K・8K」と従来のテレビ機器にパソコンやインターネットの機能を加えた「スマートテレビ」の普及促進を行い、テレビの需要拡大を目指していますが、現状の日本ではその意気込みにはまだほど遠い状況です。

その一方で、中国では2013年頃から、「スマートテレビ」への需要が大きく伸び続けています。日本の状況と合わせて、中国でスマートテレビがどのように発展しているのか見てみましょう。

株式会社シード・プランニングの「テレビのニーズ」調査では、

日本国内においてテレビでネット接続している層がわずか25.6%で3年前の2011年から2.2ポイントの増加に留まっています。スマートテレビの利用意向においても、積極的に使いたいと考える層がわずか5.6%。ある程度使いたいという層と合わせても利用意向が4割程度に留まっています。使いたくないと考える層は、

「テレビでは番組が見られれば十分」

「(テレビでインターネットを見るのが)面倒」

「テレビを見ない」

という声が依然多く、苦戦が続いているようです。

一方、中国ではスマートテレビは伸び盛りです。

奥維諮詢(AVC)の調査(リンク先: 中国語)によると、スマートテレビの売り上げ台数が大きく伸びており、2012年850万台・2013年1690万台でしたが、2014年には前年比倍増の3500万台になるだろうと予測しています。

中国で中規模以上の大都市のマーケットを示す「一二三線市場」では2014年3月末時点でスマートテレビの浸透率が56%で、2014年末までに70%を達すると予測しています。

(中国の都市は経済レベルを表す指標として、一線都市・二線都市といった都市区分が六線までされています。一線都市は北京、上海、天津、広東省広州・深センの5都市。二線都市は8の発達都市、16の中等発達都市、7の低レベル発達都市があります。発達都市は重慶、浙江省杭州・寧波、江蘇省南京、山東省済南・青島、遼寧省大連、福建省アモイ)

統計は大都市のものですが、昨今中国国内では都市部では全国的にインターネット接続の高速化が進んでいて、数年前までは1~4Mbps程度のADSLが主流でしたが、現在では10Mbps以上のADSL・光ファイバーインターネット接続が広がっており、この分野は将来的に想定している以上に普及していくだろうと予想できます。

筆者が中国に住んでいた頃、スマートテレビが出現する前の印象では、日本と同様に一時期「若者のテレビ離れ」という現象があるように感じました。若者がテレビでテレビ番組を観ることがなく、もっぱら見るのは自身が所有するパソコン、またはインターネットカフェのパソコンで見る動画サイトに投稿・配信された動画でした。

china_netcafe_movie.jpg

そんなテレビを離れていた若者が、スマートテレビの出現により、インターネットを通して見たい時に見たいコンテンツが大画面で観ることができるテレビへ戻ってきているのです。

2014年3月時点のスマートテレビユーザーの年齢分布を見ると、25~34歳の割合が48%、35~44歳が29%と圧倒的です。若い世代は、新しいガジェットを違和感なく取り入れられるし、新しい科学技術を体験できることに快感を覚えるのでしょう。

また、日本と同様に中国では薄型テレビの大型化が進んでおり、2014年3月時点の売れ筋が40~50インチがあわせて55%を占めているように、動画コンテンツを高画質・大画面で見られることに大きな魅力を持っていることが見て取れます。

更にこういったスマートテレビ需要を後押ししているのが、既存のテレビをスマートテレビ化できる「セットトップボックス」の存在ではないでしょうか。

その存在を大きく知らしめることになったのは、当コラムで再三登場している小米(シャオミー)です。

「小米盒子」(シャオミー・ハーズ/盒子とは中国語で小型の箱の意味)という名前で、2013年3月19日に299人民元(当時のレートで4,900円)で重さがたった232gのセットトップボックスを売り出し、第1回発売の1万台を数分で売り切るなどあっという間に広がっていきました。

xiaomihezi.jpg筆者も小米盒子を1台買いましたが、ボックスとHDMIケーブルを接続するだけで簡単に楽しむことができます。また、HDMIケーブルのない古いテレビでも付属のAVケーブルと接続すれば同様に楽しめるという点に使いやすさがあるのではないでしょうか。HDMIケーブル接続であれば、中国国外にいても1000以上のテレビチャンネルをほぼリアルタイムで観ることができます。

(AVケーブル接続では、中国の放送形式PALに対応していない放送機器では利用できません)

また多数の動画サイトコンテンツをカバーしている為、テレビ番組をリアルタイムでは見逃しても放送終了直後にCMカットで観ることができ、ドラマ・バラエティ・アニメ・ドキュメンタリー・映画などのコンテンツを高画質・大画面で観ることができるという融通性があります。

xiaomihezi2.jpg

現在では多数のメーカーから、日本で5,000~1万円くらいの価格でセットトップボックスが販売されています。これらは中国廣播電影電視総局(中国ラジオ・映画・テレビ当局)から正規のライセンス認証を受けています。

かつて同じような価格帯で中国当局が認めていない違法テレビチューナーを入手してテレビに接続する方法でしか、たくさんのチャンネルを観ることができなかった(しかも当局に発覚して電波を切断されてしまった場合、そのテレビチューナーは永久にただの箱になってしまう)ことを考えると、便利な時代になりました。
1度機器を買って(できれば10Mbps以上の)高速インターネットにつなぎさえすれば、自由にいろんな地域のテレビ番組を楽しむことができるのですから

xiaomismarttv.jpg

現在、中国で発売されているスマートテレビ・セットトップボックスの主力商品は3コア以上のCPUを備えていて、最大1080p(1920×1080のフルHD画質)に対応しています。更に4K対応のスマートテレビ・セットトップボックスが出現してきています。

日本でも同様にスマートテレビ対応端末が揃ってきて、更にApple TVやChromecastといったセットトップボックス的なものも出てきてはいますが、アメリカ仕様を転用しているだけで日本未対応機能が多かったり、日本で独自に提供しているコンテンツ数にまだまだ乏しく、そもそも日本はテレビ離れという現実の中、スマートテレビをどのように活用していこうというところで未だに迷っている印象です。

一方、中国では関連当局やコンテンツ配信先とちゃんと提携することで、豊富で質の高いコンテンツを揃えることで、流行に敏感でインターネットの動画コンテンツに慣れた若い中国人の心をつかみ、更にテレビの高画質・大画面という魅力を加えることで、テレビへ戻ってきているという対照的な現象が起きています。

このまま中国がスマートテレビを通して映像コンテンツ業界が伸び続けていくのか、日本の巻き返しはあるのか、見守りたいですね。

© MAKEPO

 
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著者情報

マスヤマトモアキ

増山智明

1975年北海道生まれ、2005年に語学を全く勉強せずに、単身中華人民共和国に渡航。 しかし、渡航1ヶ月未満で日本語が分からない中国人女性と出会い、中国語がたどたどしいのに更に5ヶ月後にスピード入籍。度胸があればなんでもできちゃう!? 中国では外資系ウェブ関連企業にて勤務していたが退職して、2014年5月に日本帰国。中国人妻と3歳の双子の男の子を抱えながらの生活。おカネのために中国関連の輸出入業始めました。

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増山智明

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