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相手は手強い!?掴んでおきたい、中国マーケット動向

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014中国のスマートテレビの普及に急ブレーキ!政府当局がテレビアプリの規制に躍起

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7月に書いたMAKEPOのコラム「日本で苦戦するスマートテレビが中国では爆発的に伸びている!」のとおり、中国のスマートテレビおよびセットトップボックス市場は、かなりの急成長を遂げています。

後押ししていたのは、主に2つ。

ハイアール(Haier)、TCL、創維(Skyworth)、海信(HiSense)、康佳(KONKA)などといった中国の大手テレビメーカーが40インチ・約2,000元(約34,000円)、50インチ・約3,000元(約51,000円)というとても安い価格で手に入る点。
そして、多数の動画サイトコンテンツをカバーしていて、テレビ番組をリアルタイムでは見逃しても放送終了直後にCMカットで観ることができて、ドラマ・バラエティ・アニメ・ドキュメンタリー・映画などのコンテンツを高画質・大画面で観ることができるという融通性がありました。

しかし、ここに来て、そんな伸びているスマートテレビ市場に大きくブレーキをかけようとする出来事が起きています。何が起きているのか、詳しく見てみましょう。

スマートテレビの日本との違い、中国の現状

日本の液晶テレビと言えば、例えば50インチであれば国産メーカーで最低でも10万円以上はするので、まだまだ高価な商品と言えそうですが、中国メーカーのテレビは約半分くらいの価格で売られています。

中国では、日本のように寝室に小型テレビを置くという考えがなく、寝室であっても十分な大きさのテレビを買うのが普通。売られているものの大半は32インチ以上です。

china_smarttv.png

32インチ・テレビは中国では既に人民元で1,100元程度、日本円で2万円を切る商品が売られています。

上の図では、右の3つはいわゆるLED液晶テレビで、ネット接続がないテレビですが、いちばん左の1,328元(約22,500円)が智能電視(スマートテレビ)です。

Android OSを搭載している智能電視または雲電視(クラウドテレビ、スマートテレビにクラウド機能を追加したもの)の大半は40インチ以上で、日本と比べ物にならないくらいの安さで人気を集めています。

奥維諮詢(AVC)の調査(リンク先: 中国語)では、2014年末までにスマートテレビの浸透率は70%となるだろうと言われていました。

しかし、ここに来て大きくブレーキをかけようとしているのは一方のコンテンツ側です。

中国政府当局が情報統制に躍起!テレビアプリを大幅に規制へ

2014年7月頃から中国国務院(日本の内閣に相当)直属機構である広電総局(国家ラジオ・映画・テレビ総局)がインターネットテレビを監視・管理して締め付ける政策に転じました。

思えば、これまで中国のテレビコンテンツ配信といえば、広電総局配下の全国衛星ケーブルテレビ各社を通じ、更に各地で提供されているデジタルテレビチューナーボックスを購入して、月額制で受信するという仕組みが一般的でした。

チューナーボックスは概ね中国国内の全100チャンネル前後を受信できるものでしたが、インターネットテレビアプリを使うと中国国内ほぼ全土の地方テレビ局、更に香港・台湾・海外のチャンネルまで数千チャンネルを無料で見ることができます。

このように、デジタルテレビチューナーボックスを通じて毎月の視聴収入が徴収できないということもありますが、何よりも問題なのは中国国内に留まらず、香港・台湾・海外のチャンネルまで見ることが可能となるという点です。

少し想像を働かせば何が起こるかお分かり頂けると思います。

中国国内の政策に反する内容を配信するコンテンツ・わいせつ類のコンテンツ(ポルノ専用チャンネル)・著作権に反する海賊版コンテンツなどに触れる確率が高まります。

御存知の通り、昨今いろいろな方法を使って情報統制に躍起になっている中国政府機関。自国が呼びかける内容と反するものが簡単に手に入るのはマズイと感じたのでしょう。

当初は著作権に反する海賊版映像コンテンツを早急に取り下げるよう命令する程度に留まっていましたが、8月下旬頃から更に締め付けが厳しくなっていきました。

突然のサービス停止に、びっくり!

そのきっかけとなったのは、テンセント(Tencent)が提供している動画共有コンテンツである「騰訊視頻」のTV版アプリでした。

tencenttv.jpg

突然、8月27日にテレビアプリ版サービスを停止を発表。上のアナウンスが出たのは停止のわずか2日前で何も理由が記されていなかったので、利用ユーザーへ驚きと失望を与えました。

更に8月29日にPPTVのテレビアプリのサービス停止、優酷土豆(Youku Tudou)の2つのテレビアプリがサービス停止、9月2日に楽視網(LeTV)に対してアプリストアから取り下げるよう要求など、締め付けがエスカレートしています。

現在のところ、締め付けを続けているのはスマートテレビやセットトップボックス内のテレビアプリに限られ、従来のPC版やモバイル版へは影響は及んでいません。

これまで中国の特に若者は、どちらかといえば「テレビ離れ」が進んでいる状況でしたが、スマートテレビやセットトップボックスの登場でインターネットを通して見たい時に見たいコンテンツが大画面で観ることができるテレビへ回帰する傾向が見られていました。

そんな流れに冷や水を浴びせる昨今の締め付け。

中国のテレビでは、「中国を愛そう」と盛んに愛国を叫ぶニュース・ドキュメンタリー・テレビドラマ・映画を流していますが、実際の若者たちは愛国なんてどうでもよく、常に社会の中で競争に晒され消耗する毎日を送っており、疲弊した自分を癒やすべく動画コンテンツをよく見る傾向がありました。

そんな「楽しみ」すら奪おうとしている昨今。中国はこれから一体どこへ向かおうとしているのでしょうか。

参考URL
http://tech.sina.com.cn/i/2014-09-03/07229592488.shtml(中国語)

© MAKEPO

 
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著者情報

マスヤマトモアキ

増山智明

1975年北海道生まれ、2005年に語学を全く勉強せずに、単身中華人民共和国に渡航。 しかし、渡航1ヶ月未満で日本語が分からない中国人女性と出会い、中国語がたどたどしいのに更に5ヶ月後にスピード入籍。度胸があればなんでもできちゃう!? 中国では外資系ウェブ関連企業にて勤務していたが退職して、2014年5月に日本帰国。中国人妻と3歳の双子の男の子を抱えながらの生活。おカネのために中国関連の輸出入業始めました。

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