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016【後編】中国の消費者権益保護法 - 改訂後半年の変化・そして新たな動き

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中国において高まる消費者意識に対し、かなり遅れていた法整備。2013年10月25日に改訂公布、2014年3月15日に施行された「中華人民共和国消費者権益保護法」(以下:消費者法)ですが、そこでどのような改訂が行われたのか、前回コラムでは解説しました。

後編の今回は改訂後半年が経過しての変化、更に10月末頃に公布が見込まれる「侵害消費者権益行為処罰辦法」(消費者権益侵害行為に関する処罰規定)を踏まえた今後の動きについて解説します。

消費者法の改訂から半年経った変化とは?

まず挙げられるのは、改訂消費者法が施行されて半年経ち、消費者の法律による関連条項に対しての認知度が向上したことです。

中国消費者協会の調査によると、2014年年初の認知度が76.40%だったのに対し、9月時点で83.19%まで向上しており、法律の規定そして関連団体の宣伝活動によって、認知度を上げることによって、消費者意識の高まりを鼓舞していることが挙げられます。

しかし、法律の改訂による実効性については、まだまだ曖昧で、

北京市消費者協会が先ごろ、淘宝網・京東商城・アマゾン・天猫など中国の著名な18のオンラインショッピングモールについて、各モールそれぞれ2回ずつ買物する体験調査を行なった結果、

  • 「七日无理由退货」によるクーリングオフ成功率: 82.35%
  • 商品が到着して、受け取りサインをする前に包装を開封して問題ないかチェックする行為の許可率: 97.06%(中国では従来、商品受け取りサイン後の返品ができなかった)
  • 7日以内であれば無条件にクーリングオフできる条項の明示率: 66.67%

と高い実施状況を示していたのに対し、

  • 販売事業者・経営者の情報が明確に示されている率: 27.78%
  • 販売事業者・経営者が有効な領収書を提示している率: 44.12%

に留まっています。

中には、クーリングオフ規定を説明するリンクURLに対して人為的な妨害をかけているという事例がありました。

他にも悪質な行為を行う販売者が存在していて、その事例も調査結果の中で紹介されています。

  • 拍拍網で、自動車のワイパーを38元(約660円)でネットバンキング経由で購入。しかしオンラインで返品を申請したところ拍拍網のサイトに「もし返金を申請する場合、財付通(オンライン決済プラットフォーム)の登録が必要」と明記されており、決済プラットフォームに登録できない結果、返金ができない。カスタマーサポートへ連絡しても「返金は決済プラットフォーム上にしか対応できないので、登録しなければ手続きする方法はない」と突き返され、交渉を繰り返すも返品手続きが成功していない
  • 淘宝網の店舗で、158元(約2,700円)のレディースバッグを購入。商品を受け取ったが、実物が好みと合わない為返品を申請。店舗経営者は「返品は問題ないが、まず店舗の該当商品に対して好評価を入れなければならない」と返答。その通りに対応して、経営者が提示している住所へ商品を返品したが、経営者が商品の受け取り・手続きを拒否。淘宝網へクレームを入れたが、証明する資料が提示できないと返金に応じられないとして、購入後1ヶ月経っても返品申請が完了していない

など、まだまだ法律の効果が行き渡っておらず、トラブルになるケースが多いようです。

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今後は処罰規定の強化へ

まだまだ課題を残す消費者法ですが、今後更に「侵害消費者権益行為処罰辦法」(消費者権益侵害行為に関する処罰規定)の10月末頃公布が見込まれています。

今後は経営者が消費者の求めに対して、正当な理由なく返品・修理・交換などの義務を申請した日から15日以内に履行しない場合、故意の引き延ばし・不当な拒絶とみなすこと、更にインターネット・テレビ・電話・通信販売等の方式で販売する商品に対してもクーリングオフを義務付け、故意の引き延ばし・不当な拒絶ができないようにする。

違反する場合は、まず最高で50万元(約875万円)の罰金を課して、それでも改善が見られない場合は工商管理局が出している営業許可を剥奪するところまで踏み込んでいくようです。

残念ながら、中国の消費者意識の高まりに対して、まだまだ事業者側の意識が法律の改訂を経ても変化が乏しいという現状でした。

しかし、中国の大衆消費社会の広がりから法律を遵守しない事業者の締め出しはどんどん進んでいくものと見られます。

世界的には消費社会は縮小傾向にありますが、中国を始めとしたいわゆる新興国においては拡大傾向にある状況。そういった消費に応えられる法整備を進めて、中国だけに留まらず、海外に向けても「消費の中国」をアピールしていくことが求められます。

参考URL

http://www.saic.gov.cn/zcfg/fl/xxb/201310/t20131030_139167.html(中国語)
http://www.nbd.com.cn/articles/2014-09-10/862175.html(中国語)

© MAKEPO

 
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著者情報

マスヤマトモアキ

増山智明

1975年北海道生まれ、2005年に語学を全く勉強せずに、単身中華人民共和国に渡航。 しかし、渡航1ヶ月未満で日本語が分からない中国人女性と出会い、中国語がたどたどしいのに更に5ヶ月後にスピード入籍。度胸があればなんでもできちゃう!? 中国では外資系ウェブ関連企業にて勤務していたが退職して、2014年5月に日本帰国。中国人妻と3歳の双子の男の子を抱えながらの生活。おカネのために中国関連の輸出入業始めました。

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