ノウハウをいつでも。ウェブマーケティングのポータルサイト

相手は手強い!?掴んでおきたい、中国マーケット動向

マーケティング

004タクシー不足の中国に、また新しい「クルマ配車アプリ」が登場して話題に!

このエントリーをはてなブックマークに追加
      
follow us in feedly
友だち追加数
昨年、当コラムで中国都市部でタクシー配車アプリが大流行しているということを紹介させて頂きました。

その後、日本においてもタクシー配車アプリ関連で大きく変化が始まっているということに気づいている方が多いと思います。

昨年中国の百度(バイドゥ)が出資して世界的に勢力を広げている「Uber」(ウーバー)は、日本でも知名度を上げつつあります。また、日本のタクシー会社による「全国タクシー配車」や「タクシー東京無線」も登場し、2015年1月6日からはLINE株式会社と日本交通株式会社の提携による「LINE TAXI」東京版が始まりました。

今年2015年、日本でもタクシー配車アプリの激しい競争が展開していきそうな予感ですが、昨年すでに大ブレイクを果たした中国で、また新たに立ち上がったタクシー配車アプリサービスが話題になっています。

「快的 vs 滴滴」の戦いが第2ラウンドへ。ビジネス専用車事業・専車が大人気に!

最近、中国で話題になっているのは「専車」(ジュアンチャー)と呼ばれる名前のアプリサービスたちです。

事の始まりは、2014年7月に中国インターネット大手・阿里巴巴(アリババ)傘下の「快的打車」(クァイディ)がリリースした「一号専車」、更に8月に阿里巴巴のライバル・騰訊(テンセント)傘下の「滴滴打車」(ディディ)が新たにリリースした「滴滴専車」というサービス。

この「中国2大タクシー配車アプリ」が新たな戦争を巻き起こしたのです。

これら「専車」サービスは、中国の中高所得者向けのビジネス専用車事業で、専用の運転手による商用車や旅行バス利用・空港や高速鉄道駅までの送迎をサポートするために立ち上がりました。

これら専車サービスは、どのように客から料金を取っているのでしょう?

  • 滴滴専車: 初乗り3km17元・以降1kmあたり3.5元、時速12キロ以下の低速運転時1分間で+1元
  • 一号専車: 初乗り3km20元・以降1kmあたり3.9元、時速12キロ以下の低速運転時1分間で+0.67元

(北京市の最低価格・手配する車種によって各料金は異なる)

北京市の正規タクシー料金が初乗り3km13元(約250円)・以降1kmあたり2.3元、低速運転時5分毎に+2.3~4.6元で、それよりも高い設定ですが、それでも1日あたりの平均受注件数が15件以上あるそうなので、決して悪くないというなのでしょう。

もっとも、昨年「快的打車」と「滴滴打車」が激しい勢力争いを演じたように、阿里巴巴や騰訊といったインターネット企業の資金力を背後に、ユーザー囲い込みのためにいろいろなキャンペーンを打ち出しているからという点は否定できませんが・・・。

正規タクシードライバーのストライキに発展!中国の交通部門が「2大専車サービス」に待った!

以前のコラムで、中国の2大タクシー配車アプリがなぜ流行したのか?という点について、中国大都市では都市単位で正規タクシー車輌総量が厳しく規制されているからという点を挙げました。

乗客そしてタクシー運転手双方を効率良くマッチングさせられる良さがあるのはいいのですが、中国では運賃の安さからタクシーの需要が高いにも関わらず台数が明らかに足りていません。

だからこそ、多少高くついてもタクシー不足を補う効果が専車サービスにあり、人気を集めてきているのですが、ここに来て問題が出てきています。

「2大専車サービス」は、中小規模のレンタカー会社と多数契約して、そこから運送する「登録ドライバー」を手配した上で、アプリからのオーダーによりサービスを行うという仕組みなのですが、これらの中小規模レンタカー会社の殆どが自家用車を使った「白タクドライバー」と契約しているもので、日本で言う「旅客自動車運送事業」のライセンスがない状態です。

そのためか、昨年11月末頃から南京市・上海市の交通部門が白タクを使った違法運送の疑いがあることが明らかに。更に今年1月6日に北京市の交通執行部隊がこれらの専車サービスが白タクを使った違法運営業務であると断じました。

他の都市でも違法な専車サービスを徹底的に取り締まるという態度が次々と示されました。

shenyang-st.jpg

今年1月4日、遼寧省瀋陽市では市内の数千台が専車の違法営業に対する抗議のストライキが発生。

この日は、中国で今年の仕事始めの日とぶつかった為、交通警察が交通整理へ向かうなどの混乱が起こりました。

専車ブームはもう終わり?いや、これから「正常化」されて根付くはず!

ここにきていろいろな問題が出てきている専車サービスですが、このまま終わっていくことはないでしょう。

これは、中国で大きなサービスが成長する過程で起こりうる「成長病」みたいなものです。

中国情勢に精通している方であれば、よく分かって頂けると思うのですが、

  1. あるサービスが登場。インターネットや口コミによりじわじわと浸透し始める
  2. 何かのきっかけで、じわじわと動いていたものが爆発。大人気サービスに
  3. 各メディアが、話題のサービスとして取り上げる
  4. 中国政府系メディアが着目。政府とベタベタの有識者がサービスの懸念点を指摘
  5. 利用者から政府の介入があるのでないかと不安の渦に包まれる
  6. サービス提供側、介入の不安などないと強気な態度
  7. 政府・政府関連機関が取り締まり。サービスを禁止の方向へ
  8. 当局とサービス提供側の斬った斬られたの泥仕合、サービスは禁止されていないが、灰色
  9. 不安がありながらも、サービスが禁止されていないので、細々と続く
  10. いつの間にか政府機関が緩んできて、見逃してくれる
  11. サービスの存在が根付く
  12. 大型化してビッグサービスへ

今の専車サービスは、上で言うところの8番目に位置していると言えそうです。

しかし、私は程なく9番目・10番目へ向かっていくだろうと見ています。

なぜならば、2014年12月に中国レンタカー大手「神州租車」が専車サービスへ参入開始、更に別のレンタカー大手「易到用車」が新たに専車サービスを立ち上げるべく、近々専門の子会社設立を準備中しているからです。

これらの2社は全国規模のレンタカー業を営んでおり、もともと運転手付きレンタカー業務をサービスとして提供していた「正規軍」たちです。

「易到用車」には、「BAT」の残る1社である百度が地図アプリ「百度地図」を携えてタッグを組んでいくので、「健全な専車サービス」に業界が変化していくはずです。

専車サービスも、結局はまたまた百度・阿里巴巴・騰訊のぶつかり合いとなり、いつの間にかサービスの存在が根付いて、生き残ったサービスが大型化してビッグサービスへという流れになるでしょう。

2015年、これから中国ではアツい勢力争いがヒートアップしそうです。

参考URL

http://china.caixin.com/2015-01-09/100772938_1.html(中国語)
http://field.10jqka.com.cn/20150108/c569585149.shtml (中国語)

© MAKEPO

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
   
follow us in feedly
友だち追加数

著者情報

マスヤマトモアキ

増山智明

1975年北海道生まれ、2005年に語学を全く勉強せずに、単身中華人民共和国に渡航。 しかし、渡航1ヶ月未満で日本語が分からない中国人女性と出会い、中国語がたどたどしいのに更に5ヶ月後にスピード入籍。度胸があればなんでもできちゃう!? 中国では外資系ウェブ関連企業にて勤務していたが退職して、2014年5月に日本帰国。中国人妻と3歳の双子の男の子を抱えながらの生活。おカネのために中国関連の輸出入業始めました。

他の参加者を見る

増山智明

関連記事

マーケティングノウハウ足りてますか?

MAKEPOのメルマガ…購読してみませんか?
直近のピックアップ記事のほか、セミナー・ツール活用情報など不定期でお伝えしています。「サイトにアクセスするのは面倒だ!」「電車の中でざっくり読みたい」という方は是非ご登録ください。 リアルタイムで情報取得をしたい方は、RSSまたは公式Twitterをフォローしてご覧ください!

通勤中の情報収集に!

メルマガ登録

いますぐ新着情報を知るなら

LINE@で友だちに追加!