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002浮世絵のブルーと日本のイメージカラー

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ゴッホが憧れた、浮世絵のブルー

1867年に開催されたパリ万国博覧会には、日本の美術品も出品され、「ジャポニズム」という日本ブームのきっかけとなりました。とりわけ浮世絵は、ゴッホ、ルノアール、ドガ、モネなど、印象派以降の画家たちにさまざまな影響を与えたことは広く知られています。

例えば、フィンセント・ファン・ゴッホは、歌川広重の名所絵「名所江戸百景」の模写をしており、その後の作品にも、広重特有の奔放で大胆な構図、うねるような力強い木々の表現、風景に溶け込むように描かれた人物など、細部の表現に至るまで、その影響が見られます。ゴッホは、まだ見たことのない日本の景色をもとめて、フランス南部のアルルに移住し、その第一印象を次のように書き記しています。

「この土地の空気は澄んでいて、明快な色の印象は日本を想わすものがある」
「水は綺麗なエメラルド色の斑紋を描き、われわれが縮緬紙の版画でみるような豊かな青を風景に添える」

広重の名所絵には、海や川、湖など、多彩な表情を見せる水辺と、その上に広がる空が描かれています。ゴッホは、広重が描いたブルーに魅了され、南仏の空と水に共通点を見出したようです。


ベロ藍によって生まれた繊細なぼかし

浮世絵太田記念美術館では、展覧会『広重ブルー 世界を魅了した青』(2014年4月1日〜5月28日)が開催されています。タイトルのとおり、初期風景作品「東都名所」から晩年の代表作「名所江戸百景」にいたる広重作品を中心に、ブルーの表現に焦点をあてた展示が行われています。

20140423.004.jpgのサムネイル画像 20140423.008.jpgのサムネイル画像

上図は左から、藍色(0.5PB 4 / 8.4)と紺青(5.7PB 2.8 / 8.8)の色見本です。(参考:DICデジタルカラーガイド「日本の伝統色」)

浮世絵のブルーは、日本に自生する一年生植物タデアイ(蓼藍)を原料とする「藍色」とオランダ舶載の鉱物顔料である「ベロ藍(ベルリンブルー、プルシアンブルー、紺青とも呼ばれます)」が用いられました。広重作品の特徴のひとつは、空や水の透明感を表現する繊細なぼかしにあります。ベロ藍の方がより透明感のある仕上がりになることから、その人気は当時の浮世絵師を席巻したと言われます。

ゴッホたちが憧れた浮世絵のブルーは、日本古来の藍色ではなく、舶来のベロ藍でした。しかし、ぼかしの技法は、摺師の卓抜した技術によって支えられた浮世絵ならではの表現です。このように、古今東西の流行色は、色材と技術の出会いによって、生まれたものが少なくないようです。

日本のイメージカラーは、ブルーよりもピンク?

日本人にとってブルー系は、空や水のブルー以外にも、伝統的な藍染の色「ジャパニーズブルー」、スポーツの「日本代表」に採用されている「サムライブルー」など、親しみの深い色です。しかし、日本とアジア3ヵ国(中国、タイ、ベトナム)の人々を対象に、日本のイメージカラーを調査したアジアインサイトレポート 第2弾 『アジア4ヵ国の色に関する意識調査~色で表す日本のイメージ~』によると、日本のイメージカラーは「赤」と「白」がTOP2であることは共通していますが、次いで多い色は、日本人は「ブルー系」で、アジア3ヵ国の人々は「ピンク系」というように違いがあります。

アジア3ヵ国の人々は、ブルー系よりも、日本の花である「桜」や現代日本のポップカルチャーを象徴する「KAWAII」など、ピンク系のイメージの方が強いようです。日本企業が海外戦略を考える上で、こういったイメージの違いは、おさえておくべきポイントのひとつです。

しかし、イメージは移ろいやすいもの。今年はFIFAワールドカップがブラジルで開催されます。SAMURAI BLUE(サッカー日本代表)の活躍は、日本のイメージカラーにも少なからず影響を与えるのではないでしょうか。

アンケート

日本の伝統色「青」のイメージについて、アンケートを実施しています。1〜2分でご回答いただけますので、ぜひ、ご意見をお寄せください。ご協力をお願いいたします。

© Hanae Matsumoto

 
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著者情報

マツモトハナエ

松本英恵

カラーコンサルタント
2005年6月より、All About(オールアバウト)カラーコーディネートガイド
好きな色、似合う色、売れる色、心をつかむ色など、さまざまな観点から、カラーコーディネート、カラーマーケティングのノウハウをお伝えしています。
著書に、『心をつかむ色とデザイン 商品力・サービス力を磨くためのスキルアップ講座』(日本能率協会マネジメントセンター)、『和モヨウ配色手帖 オシャレな“和モヨウ”でもっと磨く配色レッスンBOOK』(技術評論社)などがある。

取材・仕事・講演のご依頼は、公式サイトへお願いいたします。
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