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003ブルーは熱い色?フランス映画のブルー

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色の心理効果を活用した、映画『アデル、ブルーは熱い色』

色の心理効果を活用した、映画『アデル、ブルーは熱い色』

暖色・寒色という言葉があるように、色には見た目の印象が暖かい色と冷たい色があります。レッド・オレンジ・イエローは、見た目に暖かく感じるので暖色系、ブルー・バイオレットは見た目に冷たく感じるので寒色系、グリーン・パープルは見た目に暖かくも冷たくも感じないので中性色系に分類されます。

今回は、色の心理効果を巧みに活用した作品『アデル、ブルーは熱い色』をはじめとするフランス映画を題材に、色のもたらす効果や印象をご紹介します。

2013年カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品『アデル、ブルーは熱い色』は、色の寒暖感を逆手にとったタイトルが秀逸。意表をつくタイトルもさることながら、レズビアンのカップルを演じたアデル・エグザルコプロス(アデル)とレア・セドゥ(エマ)のセックスシーンが話題となり、カンヌ国際映画祭では、アブデラティフ・ケシシュ監督だけではなく、2人の女優にも特別にパルム・ドールが贈られました。

トリコロールのブルーとフランス映画

フランス映画には、フランスの国旗トリコロール(青・白・赤の三色旗)をテーマにした作品があります。クシシュトフ・キェシロフスキ監督によって、1993年から1994年にかけて制作された、トリコロール3部作では、それぞれの作品が「自由(青)・平等(白)・博愛(赤)」を象徴しています。

  • 『トリコロール/青の愛(Trois Couleurs: Bleu)』「過去の愛からの自由」
  • 『トリコロール/白の愛 (Trois couleurs: Blanc/Trzy kolory: Biały)』「愛の平等」
  • 『トリコロール/赤の愛 (Trois Couleurs: Rouge)』「博愛」

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トリコロールの青・白・赤が、自由・平等・博愛(Liberté, Égalité, Fraternité)の象徴とされるのは、フランス革命期のスローガンに由来します。青はブルジョワ(市民)、白は聖職者、赤は貴族の身分の象徴とも言われますが、正式には、白はフランス王家の色(ブルボン朝の白百合)、青と赤はパリ市の紋章の色で、パリ市民と王家との和解を表しています。

映画『トリコロール/青の愛』は、高名な作曲家の夫が交通事故で亡くなり、残された未完成の曲をめぐって、ドラマが展開していきます。ヴェネツィア国際映画祭で、金獅子賞や女優賞(ジュリエット・ビノシュ)他を受賞するなど、フランス映画を代表する作品のひとつなので、『アデル、ブルーは熱い色』と、重ね合わせて鑑賞してみてはいかがでしょうか。

フランス映画とモードの蜜月関係

『アデル、ブルーは熱い色』をきっかけに、レア・セドゥとアデル・エグザルコプロスは、PRADA(プラダ)の姉妹ブランドであるMiu Miu(ミュウミュウ)の2014 年リゾート・コレクションのキャンペーン広告に起用されました。フランスの映画は芸術性が高く評価される作品が多く、知的でおしゃれなイメージがあります。フランス国内では、ハリウッド映画に押され気味ともいわれますが、フランス映画とモード、ファッションの世界は密接につながり、相互にブランディングし合う関係は依然として続いているようです。

映画の原題は『La vie d'Adèle - Chapitres 1 et 2(アデルの生涯、前後編)』で、原作の漫画『Le bleu est une couleur chaude(ブルーは熱い色)』。漫画の主人公は、アデルではなく、クレモンティーヌですが、監督の意向で、主演女優の本名を役名としたそうです。撮影は5か月半、撮影時間は750時間を超えたと伝えられています。2人の女優の顔がクローズアップされる場面が多く、特に「アデル、アデル......」と実名と同じ役名で呼ばれ続けたアデルの方は、役と本当の自分の境界を揺れ動くような表情が印象的でした。

ブルーが映し出す、心の動き

上映時間179分と長い作品ですが、ストーリー自体は、恋人たちの出会いから別れた後の7〜8年を描いたにすぎません。タイトルのとおり、画面の随所にブルーが使われており、季節や年月のうつろい、2人が育った家庭環境の違い、心の変化などが、トーンや配色の変化と響き合い、見るものを惹き付けるようにられるように感じました。

印象的なシーンをいくつかあげてみましょう。美大生のエマと高校生のアデルが出会ったのは、交差点。すれ違いざまに振りかえり、アデルを見つめるブルーの髪の女エマに、アデルは心を奪われます。濃いブルーのアウターを身に付けたエマとグレイッシュブルーのストールを巻いたアデル。エマの凛としたかっこよさと、幾分鈍重なアデルが対比的に描かれています。

2人の間に不協和音が流れ始まるのは、後半になってからですが、前半に伏線が設けてあります。アデルの大学進学が決まった頃、2人はそれぞれの両親に紹介します。エマの家庭は富裕で文化的、アデルの家庭は労働者階級。もてなす料理が、格差を顕著にあらわしています。また、エマの両親はアデルをごく自然に娘の恋人として歓迎しますが、アデルの両親はエマを、娘の年上の友だちだと決めつけ、レズビアンであるとは疑いもしません。

数年後、アデルは教師になり、画家になったエマのモデルをつとめながら、一緒に暮らしています。エマはアデルに文章を書いたらと創作をうながすようになり、この頃から、アデルの苛立ちや悲しみといったさまざまな感情は、ブルーとレッドの対比で表現されるようになります。

この作品には実にさまざまなブルーが登場します。原作者、監督たちが、ブルーに託した思いやイメージを体験してみませんか?

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『アデル、ブルーは熱い色』

公式サイト:http://adele-blue.com/
配給:コムストック・グループ
絶賛公開中
© 2013- WILD BUNCH - QUAT'S SOUS FILMS - FRANCE 2 CINEMA - SCOPE PICTURES - RTBF (Télévision belge) - VERTIGO FILMS

参考

© Hanae Matsumoto

 
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著者情報

マツモトハナエ

松本英恵

カラーコンサルタント
2005年6月より、All About(オールアバウト)カラーコーディネートガイド
好きな色、似合う色、売れる色、心をつかむ色など、さまざまな観点から、カラーコーディネート、カラーマーケティングのノウハウをお伝えしています。
著書に、『心をつかむ色とデザイン 商品力・サービス力を磨くためのスキルアップ講座』(日本能率協会マネジメントセンター)、『和モヨウ配色手帖 オシャレな“和モヨウ”でもっと磨く配色レッスンBOOK』(技術評論社)などがある。

取材・仕事・講演のご依頼は、公式サイトへお願いいたします。
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松本英恵

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