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マーケティング

005缶コーヒーのパッケージから学ぶ、ポジションに応じたカラー戦略

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2013年のヒット商品は、コンビニのカウンターコーヒー。コンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパンが開始した「セブンカフェ」が大きな成功を収めると、コンビニ各社は追随し、1年間で大手5社が販売したカウンターコーヒーは実に7億杯にものぼります。

コンビニコーヒーの影響で、最も苦戦を強いられているのは、缶コーヒーですが、コーヒーはお茶と並ぶ2大飲料のひとつ。缶コーヒー業界も、市場を再編するような商品を世に送り出しています。今回は、フィリップ・コトラー教授が提唱する「ポジションに応じたマーケティング」と照らし合わせながら、業界No.1(リーダー)とNo.2(チャレンジャー)のカラー戦略を見ていきましょう。


コンビニコーヒーNo.1「セブンカフェ」のカラー戦略

業界1位の「セブンカフェ」は、コンビニコーヒーの中で100円という最も安い価格を採用し、7億杯中4.5億杯を占めるなどライバル企業をまったく寄せ付けない販売実績を誇っています。コトラー教授が提唱するように、市場規模やマーケットシェアの拡大を目指す戦略は、業界のリーダーとして妥当な戦略と言えるでしょう。

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「セブンカフェ」の成功は、価格設定も大きな要因ですが、カラーやデザインも大きな役割を担っています。セブンカフェ全体をプロデュースしたのは、2010年からセブン-イレブンのクリエイティブディレクションに携わっている佐藤可士和氏。スタイリッシュなマシンは、「分かりづらい」という意見も多く、現在は大半の店舗が、テプラを貼っているのではないでしょうか。

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このように、マシンのデザインについては混乱も見られますが、白を基調としたモノトーンのカップは、業界のリーダーにふさわしいデザインといえます。なぜなら、わたしたち人間は、単純なものほど覚えやすく、自分にとって好ましい情報として受けとめる傾向があるからです。

新定番と呼ばれるような商品やサービスを世に送り出すとき、一度で覚えてもらえるようなデザインが効果的です。広い面積をあるひとつの色が占める状態を、「一色訴求」と呼びます。セブンカフェの白いカップは、一色訴求の効果を巧みに活用しているのではないでしょうか。

「ジョージア」vs「サントリーBOSS」缶コーヒーのカラー戦略

さて、コンビニのカウンターコーヒーが躍進する一方で、最も苦戦を強いられているのは、缶コーヒーです。一日3本程度飲むヘビーユーザーは安定傾向にあるとはいえ、主に30~40代の男性に絞られます。若い男性や女性層の取り込みが中長期の課題となっているところに、コンビニコーヒーという強敵が登場しました。とはいえ、コーヒーはお茶と並ぶ2大飲料のひとつとされ、毎日のように飲む方は少なくありません。

缶コーヒーの業界1位は、日本コカ・コーラのGEOGIA(ジョージア)。さまざまな商品がありますが、定番は「エメラルドマウンテンブレンド」です。ネーミングのとおり、エメラルドブルーを基調としたパッケージは、一色訴求の効果を狙ったもので、業界のリーダーにふさわしいデザインといえるでしょう。

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業界2位のサントリーBOSS(ボス)は、チャレンジャーのスタンスを取っているようです。コトラー教授によれば、チャレンジャーの基本戦略は"差別化"です。チャレンジャーは、リーダーと直接争うことを避けて、業績を伸ばしていこうとします。そのため、リーダーとは異なる戦略をとります。

BOSSにも、さまざまな商品がありますが、定番は「レインボーマウンテンブレンド」です。ネーミングのとおり、レインボーカラーのグラデーションになっています。グラデーションの効果は、コラム「視線が動けば、心も動く、グラデーションの効果」に書いたとおりです。

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さらに、2014年に発売された、BOSSグリーン(トクホのボス)は、健康づくりに役立つコーヒーという位置づけで、新しい顧客を獲得し、リピート買いをうながすことによって、新しい需要を開拓しようとする試みといえます。トクホ(特定保健用食品)のコーヒーは、花王へルシアという先行するライバルがいますが、ジョージアは、2009年に「ジョージア エメラルドマウンテンブレンド デイリーオリゴ ブラック」を発売したものの、現在のジョージアのラインナップにトクホのコーヒーはありません。

ヘルシアコーヒーは、黒地にグリーンの文字がキラリと光るパッケージ。BOSSグリーンは、ネーミングのとおり、グリーンのパッケージが採用されています。コンビニのコーヒー売り場で、ぱっと目を引く、明るく輝くようなグリーン。新しさや機能をアピールするカラー戦略は、メタボが気になりはじめた男性よりも、これまで缶コーヒーをあまり利用していなかった女性たちに好評のようです。

参考

© Hanae Matsumoto

 
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著者情報

マツモトハナエ

松本英恵

カラーコンサルタント
2005年6月より、All About(オールアバウト)カラーコーディネートガイド
好きな色、似合う色、売れる色、心をつかむ色など、さまざまな観点から、カラーコーディネート、カラーマーケティングのノウハウをお伝えしています。
著書に、『心をつかむ色とデザイン 商品力・サービス力を磨くためのスキルアップ講座』(日本能率協会マネジメントセンター)、『和モヨウ配色手帖 オシャレな“和モヨウ”でもっと磨く配色レッスンBOOK』(技術評論社)などがある。

取材・仕事・講演のご依頼は、公式サイトへお願いいたします。
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