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022香りとパッケージデザインが成功の秘訣、柔軟剤「レノア」シリーズ

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コラム「新作フレグランスから探る、2014年秋冬の香りのブランドデザイン」では、ジバンシー、クロエ、アナスイ、プラダの新作フレグランスを事例に、香りとビジュアル表現の関係を探ってみました。欧米のファッションブランドは、服飾、装飾品、香水、化粧品など事業を多角化しており、香水がブランディングにおいて重要な役割を果たしています。欧米では、香水を使うことが文化として根付いており、市場規模が大きいことも背景としてあげられるでしょう。

欧米に比べると日本における香水市場規模は小さいこともあって、日本のブランドは、香水の企画開発にはそれほど注力してこなかったようです。しかし、日本人は香りに鈍感かというと、そうではないようです。2012年頃から、香りに特化した柔軟剤が流行しており、「第二次柔軟剤ブーム」とも言える現象が起きています。歴史を遡ると、平安時代の貴族は、着物や手紙にお香を焚きしめて「移り香」を嗜んでいました。衣服を香らせるという提案は、日本人にとって受け入れやすいのかもしれません。

第二次柔軟剤ブームの鍵は「香り」

マーケティング会社シタシオンジャパンが、2012年に主婦を対象に実施した調査によると、柔軟剤を複数種類保有し使い分けている人は3割以上(30.5%)にのぼり、うち、約3割(28.3%)の人が3種類以上の柔軟剤を使い分けており、中には10 本以上保有している人もいることが明らかになりました。人気ランキングでは、香りブームの火付け役「ダウニー」を抑えて、「レノアハピネス」が1位になっています。

P&Gの「レノア」は、2004年2月発売開始。2009年8月に全面改良を行い、商品名も「レノアプラス」に変更されました。現在は、下記の5つのシリーズを展開しています。

シリーズ名 発売開始年月 キャッチコピー
レノアプラス 2004年2月
2009年8月名称変更
衣類の加齢臭にさよなら
レノアハピネス 2008年1月発売開始 柔軟剤以上、香水未満。
レノアハピネス 香りシート 2011年3月 シートタイプで、香る場所広がる!
レノアハピネス アロマジュエル 2012年2月 香りストックで毎日のお洗濯を楽しく。
レノア オードリュクス 2014年2月先行発売
2014年9月全国に拡大販売
パリの高級ホテルも密かに愛用する香り

柔軟剤の本来の機能は「洗濯物をやわらかくする」「静電気を防ぐ」です。また、お洗濯の仕上げに使うものなので、液色のみならずパッケージについても、濃い色はタブー視されてきました。その結果、柔軟剤の売り場は、やわらかさの訴求に適した淡いパステルトーンで占められ、競合する製品との差別化が難しい状況にありました。

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嫌な臭いを抑えることに重点を置いた「レノアプラス」は、従来の柔軟剤のパッケージカラーを踏襲し、パステルカラー3色(ピンク、オレンジ、ブルー)展開ですが、「香り」という付加価値に重点を置いた「レノアハピネス」のパッケージは、淡い色2色(白とピンク)と濃い色3色(赤、黒、緑)という構成になっています。

5+5=10ではなく、5×5=25が叶える、オンリーワンの香り

第二次柔軟剤ブーム以降、柔軟剤売り場に陳列されるパッケージの色は多様化しましたが、パッケージの形に大きな違いはありませんでした。さらなる差別化として登場した「レノアハピネス アロマジュエル」は、液体ではなく固形。パッケージもこれまでにない色と形が採用されています。

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主婦層の香りへの要求の特徴として、「香りの長続き」「香りで使い分け」「自分のための香り」の3つがあげられています。積極的に香らせたい衣類もあれば、そうでない衣類もあります。TPOに応じて、香りを使い分けたいというニーズもあるでしょう。さらに、香りへの意識が高い人ほど、他の人と香りがかぶるのは嫌がるもの。自分だけの香り、自分らしい香りを求めるのではないでしょうか。

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「レノアハピネス アロマジュエル」は、柔軟剤と併用するものなので、P&Gは「レノアハピネス」との組み合わせを提案しています。それぞれ5種類の香りがあるので、5+5=10でなく、5×5で25通りの香りを楽しめるようになっています。「レノアハピネス アロマジュエル」の軽さも、併せ買いを促す要因のひとつと言えるでしょう。

さらなる高級感を求めて

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「レノアハピネス アロマジュエル」の登場によって、消費者の選択肢は広がりましたが、選択肢が増えれば増えるほど、選ぶのは難しくなります。1本で満足度の高いのものがあれば、そちらを選ぶ消費者もいますよね。「レノア オードリュクス」は、2014年2月、オンラインショップや一部のバラエティストアにて先行発売を開始。ラインナップは「イノセント」と「センシュアル」の2種類のみ。ルームプレグランスのような形で、濃淡のグラデーションを描くアイボリーとマゼンタの2色が採用されています。

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さらに、2014年9月全国に拡大販売する際に、2つのデザインボトル「パリの街の物語」と「レースの物語」が数量限定で発売されました。デザインボトルは、ピンクとネイビーの2色展開となっています。

レノアシリーズの変遷が示すように、柔軟剤は香りとパッケージの色とデザインを洗練させることによって、主婦層を中心とするヘビーユーザーの購買意欲を刺激し、市場を拡大してきました。しかし、インターワイヤードが2013年に実施した調査によると、「柔軟剤」使用者は半数。女性は63.0%が使用していますが、男性は37.2%と4割に満たないことが明らかになっています。

香りを求める声がある一方で、香りがないものがよいという意見や、「しわのない仕上がり」や「吸水性」といった香りとは異なる機能をうたった製品の復活を求める意見も見られます。柔軟剤市場のさらなる拡大のカギは、ベネフィットとそれに見合ったパッケージのカラーとデザイン、チャネル戦略等で、男性の心をいかにして掴むのか?にかかっているのではないでしょうか。

参考(画像引用元)

© Hanae Matsumoto

 
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著者情報

マツモトハナエ

松本英恵

カラーコンサルタント
2005年6月より、All About(オールアバウト)カラーコーディネートガイド
好きな色、似合う色、売れる色、心をつかむ色など、さまざまな観点から、カラーコーディネート、カラーマーケティングのノウハウをお伝えしています。
著書に、『心をつかむ色とデザイン 商品力・サービス力を磨くためのスキルアップ講座』(日本能率協会マネジメントセンター)、『和モヨウ配色手帖 オシャレな“和モヨウ”でもっと磨く配色レッスンBOOK』(技術評論社)などがある。

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