ノウハウをいつでも。ウェブマーケティングのポータルサイト

心を掴む!カラーマーケティングの極意

マーケティング

048「琳派」に学ぶ、作り手と使い手をつなぐ、暮らしの美意識

このエントリーをはてなブックマークに追加
      
follow us in feedly
友だち追加数
「琳派」とは、江戸時代に現れた装飾的な作風を特色とする、俵屋宗達、尾形光琳・乾山、酒井抱一といった芸術家の一群をゆるやかにつなぐ言葉です。いまから四百年前の1615年、京都洛北の鷹峯の地に本阿弥光悦が徳川家康から土地を拝領し、工芸を家業とする親類縁者を集め、芸術家の村「光悦村」を作ったのが「琳派」のはじまりとされています。

京都で生まれた「琳派」は、京都の地で脈々と受け継がれ、さまざまな芸術分野でその様式を育ててきました。京都国立博物館で開催中の特別展覧会『琳派誕生400年記念 琳派 京を彩る』は、京都で開催される初めての本格的な琳派展となります。今回は、本展と関連イベントから、琳派に受け継がれた暮らしの美意識についてご紹介します。

「琳派」に受け継がれてきた、暮らしを彩る美意識

rinpa01.jpg重要文化財 風神雷神図屏風 尾形光琳筆 東京国立博物館
<展示期間:10/10〜11/8>

『風神雷神図屏風』は、琳派として広く知られている作品のひとつ。本展では、宗達、光琳、抱一の三者が描いた三組の『風神雷神図屏風』が同時に展示されます(10月27日〜11月8日)。

「琳派」の源は、京都洛北の鷹峯に住し、書をはじめさまざまな芸術に関与した本阿弥光悦へと遡ります。しかし、「琳派」という名称は、近代の研究者が作った略称であり、自らを「琳派」と称する芸術家集団が存在していたわけではありません。彼らに直接の師弟関係はなく、本阿弥光悦や俵屋宗達が活躍した17世紀前半(江戸時代初期)の百年後の京の都に尾形光琳、乾山の兄弟が現れ、また百年後の江戸に酒井抱一が現れ、先達の意匠を取り込み、自分の芸術として発展させていきました。

三組の『風神雷神図屏風』は、一見同じようでありながら、三者それぞれの時代背景や個性を秘めています。

rinpa02.jpg国宝 舟橋蒔絵硯箱 本阿弥光悦作 東京国立博物館
<展示期間:10/10~11/1>

刀剣の手入れや鑑定に携わる家に生まれ、錚々たる武将たちと交わり、書家として、また陶芸家や漆芸のディレクターとして活躍した光悦。琳派の意匠は、絵画のみならず衣装や美術工芸品から空間デザインまで生活の様々なシーンで使われ、その時代に合わせ幅広く展開してきた事が大きな魅力のひとつです。

rinpa03.jpg重要文化財 秋草文様小袖 尾形光琳画 東京国立博物館
<展示期間:10/27~11/23 >

洛中でも指折りの高級呉服商・雁金屋という恵まれた環境にあった尾形光琳・乾山の兄弟は、家業が経営難に陥ったことから、画家・工芸家の道を志しました。兄・光琳は、絵を描ける平面であれば紙・絹・板・着物・硯箱・焼き物など何でも自身の領分であると考えていたようで、大画面の屏風のほか、香包、扇面、団扇などの小品も手掛け、手描きの小袖、蒔絵などの作品もあり、弟・乾山の作った陶器に光琳が絵付けをするなど、その制作活動は多岐にわたっています。

本展では、多彩なジャンル(絵画、書、陶芸、漆芸、染織)の名品を集め、「琳派」に受け継がれてきた、日々の暮らしを彩るという美意識を浮き彫りにしようと試みています。


京都国立博物館公式キャラクター「トラりん(=虎+琳派)」

torarin.JPG着ぐるみ〈トラりん〉は、琳派展開催中の土・日・祝に登場します。

本展の開催に合わせて、京都国立博物館は、公式キャラクターを発表しました。名前は、虎形琳之丞 (こがたりんのじょう、略して「トラりん」) 。尾形光琳筆『竹虎図(紙本墨画)』をモチーフに考案されました。いたずらっ子のようなやんちゃな眼をして横を睨んでいる虎は、モノトーン配色。軽妙な画風で知られる、光琳の墨画の趣きが感じられるのではないでしょうか。

トラりんの目的は、京都国立博物館と文化財保護基金のPR。京都国立博物館は、光琳が実際にひいきにしていた記録が残る「とらや」と共同制作した、特製羊羹「光琳虎」を京都限定で発売するなど、京都の名匠、老舗とのコラボレーションにも取り組んでいます。

琳派ファッションショー コシノジュンコ「琳派の世界」

koshinojunko02.jpg琳派ファッションショー コシノジュンコ「琳派の世界」

京都府は、10月9日(金)、京都国立博物館にて、琳派ファッションショー コシノジュンコ「琳派の世界」を開催しました。このショーは、地域や伝統産業の活性化に結びつけることを目的に開催され、コシノジュンコ氏デザインによるる京友禅や西陣織の技術を活かした着物やドレスをはじめとする衣装の数々が発表されました。

koshinojunko03.jpg琳派ファッションショー コシノジュンコ「琳派の世界」

コシノジュンコ氏は、琳派に見られる異質な出会いに着目し、伝統とモダン、大胆で繊細、余白と緻密、静と動など、「対極の美」をテーマに衣装をデザインしました。

koshinojunko04.jpg琳派ファッションショー コシノジュンコ「琳派の世界」

このショーでは、能楽師と囃子方によるお能も披露されました。琳派の祖とたたえられる光悦、元禄の琳派を生み出した光琳は、お能の幽玄なる美意識をいとおしみ、琳派とお能は表裏一体の関係にあったと考えられるからです。

琳派ならではの美麗な装飾は、絵画、書、陶芸、漆芸、染織など、多彩なジャンルに広がり、日々の生活を彩ってきました。金、銀、白、墨を基調に、艶やかな色が目を楽しませてくれます。世代を超えて、京から江戸へと琳派が受け継がれてきたのは、暮らしを彩りたいと思う人々と、それを作り出す職人たちをつなぐ文化やインフラがあったからに他なりません。日本美術史の中でも独特の成立、発展をした「琳派」という様式の変遷は、現代の私たちにさまざまな気づきを与えてくれるのではないでしょうか。
rinpa_poster.jpg
展覧会情報

「琳派誕生400年記念 琳派 京を彩る」
会期:2015(平成27)年10月10日(土)~11月23日(月・祝)
会場:京都国立博物館 平成知新館
主催:京都国立博物館、日本経済新聞社、テレビ大阪、BSジャパン、京都新聞
URL:http://rinpa.exhn.jp/

京都国立博物館公式キャラクター「トラりん」
URL:http://torarin.jp/

琳派ファッションショー コシノジュンコ「琳派の世界」
URL:http://www.rimpa400.jp/?p=1573

© Hanae Matsumoto

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
   
follow us in feedly
友だち追加数

著者情報

マツモトハナエ

松本英恵

カラーコンサルタント
2005年6月より、All About(オールアバウト)カラーコーディネートガイド
好きな色、似合う色、売れる色、心をつかむ色など、さまざまな観点から、カラーコーディネート、カラーマーケティングのノウハウをお伝えしています。
著書に、『心をつかむ色とデザイン 商品力・サービス力を磨くためのスキルアップ講座』(日本能率協会マネジメントセンター)、『和モヨウ配色手帖 オシャレな“和モヨウ”でもっと磨く配色レッスンBOOK』(技術評論社)などがある。

取材・仕事・講演のご依頼は、公式サイトへお願いいたします。
松本英恵のカラーコンサルティング

他の参加者を見る

松本英恵

関連記事

マーケティングノウハウ足りてますか?

MAKEPOのメルマガ…購読してみませんか?
直近のピックアップ記事のほか、セミナー・ツール活用情報など不定期でお伝えしています。「サイトにアクセスするのは面倒だ!」「電車の中でざっくり読みたい」という方は是非ご登録ください。 リアルタイムで情報取得をしたい方は、RSSまたは公式Twitterをフォローしてご覧ください!

通勤中の情報収集に!

メルマガ登録

いますぐ新着情報を知るなら

LINE@で友だちに追加!