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歴史本『乙女の日本史』に見る書籍制作の裏側とヒット戦略

マーケティング

004作家の仕事は書くだけではない!営業力とご縁(運)も実力のうち!?

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現在、僕が関わっている仕事の9割以上は、作家として運営しているブログ経由で連絡してくれる編集者さんによるオファーを受けてのものです。MAKEPO編集部の方とも、そういうカタチでお知り合いになりました。

ブログの閲覧者数は少ないより多い方がよいのでしょうが、基本的にクリエイターの場合は連絡口を設けていることが一番大事です(これはブログの書籍化を狙っていない場合の話ですが)。そして、現在のあなたの仕事の状況や関心がわかる記事を上げ続けているということも大事です。

仕事が忙しすぎて更新が止まっているブログでも、あなたのことを知らないクライアント(候補)には、活動の停滞にしか見えなかったりもします。また、非常に頻繁に更新していても、本業とはまるで関係のない内容を芸能人気取りでUPしつづけていると、これまた「コイツ、暇なのかな」と思われかねません。

ちなみに作家は作家で、オファーをくれた版元(出版社など)の信頼度や口コミなどを、インターネットをつかって自分なりに調査して判断した上で、お仕事をするかどうかを判断しています。編集者個人の実績や仕事のやりかたも、彼らが昔、仕事をした著者のブログなどから簡単にわかってしまうのです。版元と編集者は作家にとって一番大事なパートナーです。誰とでもいい、どこからでもいい、自分の本が出せたらいいや......では少なくとも職業作家の態度としてはダメです。このご時世、倒産するとまではいわなくても、土壇場で本を出せなくなる出版社も多いのですね。


出版社との仕事と原稿料

ウェブとは異なり、出版の場合はオファーを受けてから、本が出るまでに半年以上の期間がかかることもザラにあります。その間に、もしくは本を出した後にでも版元に倒産されてしまうと、書籍自体は存在しているというのに、権利が宙に浮いた状態なので、いくら売れても作家に一銭もお金が入らないという最悪の事態が生まれるのです。

ちなみに本を出版する経費を自分で出す形式の出版を自費出版といいます。出版社から原稿料(など)をもらって、出版する場合を企画出版といいます。現在、企画出版される原稿の大半は、編集者からのオファーを受けた上で書かれたものです。その時点で、ギャランティの話が交わされることは珍しい......というか、原稿が最終的に仕上がった時点で、クリエイションを担当した編集部と、セールスを担当する営業部の折衝などがあって、初版部数が決まります。ですから、最初にお金の話はできないのですね。

単行本を出す場合、初版部数はX部というのが確実に決定している会社も多いですが、作家の要望などで何とかなる場合もあるのかもしれません。印税率は定価の約10パーセント程度です。定価は作家に相談されて決まるものではなく、出版社が決定します。が、ものすごく厳密に決定されるところと、これくらいで......と比較的アバウトに決定されるところの差は激しいですね。

Fotolia_53678644_Subscription_Monthly_M.jpg企画出版の大半は、編集者からのオファーを受けた上で書かれたもの

出版関係者とのご縁は、いろいろ

作家といっても自分のようなエッセイスト的な仕事をこなすヒト、小説を書きたいヒト、ダイエットなどのノウハウを伝えたいヒト、評論を書きたいヒト......無数にいるとは思いますが、基本的にどのジャンルでも原稿の持ち込みを受け付けている出版社・編集部のほうが少ないと思います。

編集者と自分をつなぐ手段は、たとえば小説や評論なら、文芸雑誌が設けている各種新人賞に投稿を続けるほかはありません。ノウハウを売りたい場合なら、たとえばダイエットのジャンルならトレーナーとしての実績を積むとか、それをブログやサイトにまとめて発表後、世間から一定の評価を得ると、ある日、どこかの出版社からの執筆依頼のメールが紛れ込んでる......なんてことがデビューへの道となりますね。

仕事例や作例を集めた「ポートフォリオ」としてのサイトやブログの必要性はいうまでもありません。また、今なら各種SNSの繋がりを駆使して、なんとか出版関係者とのご縁をゲットできるかもしれませんね。しかし、彼らと仕事の具体的な話ができるかどうかは、あなたに一冊書かせるに足るだけの実力があるかどうか、ということにかかっています。

堀江の作家デビューのきっかけは?

それでは僕がどうやって本を書けるようになったのか......というと、大学の頃のクラスメイトの知人に、ある出版社とツテがあったんですね。そのままバイトをしたり、記事を書いたりしてお小遣いを稼ぐようになりました。その後、いったんマスコミ(とくに出版)とは距離を置こうとしていたのですが(笑)......エッセイの類は書けても、論文がうまいこと書けない自分は大学院進学を断念、就職活動も出遅れたぶん、うまくいかず......、気付けば、個人サイトを作り、クラシック音楽やら、映画に関する自分のエッセイをほそぼそと公開していました。

その自分のサイト経由で「ファンです」とメールを下さった方のお知り合いが竹書房の編集長さんでして、その方の元でフリーライターとして仕事をしているうちに、同じ竹書房で書籍部の方に紹介いただきました。そして「今月の出版スケジュールが1冊分空いてしまったので、1ヶ月のうちに何か書いてみませんか」という、急な依頼をもらった末に書かれたのが後宮の世界です。要するに、運が良かったわけです。

もともとフリーライターとしてもそこそこは稼げましたが、基本的に年齢を重ねたところで原稿料はあがらないんですね(笑)。大学生時代ならともかく、すでにその頃は卒業していましたから、不安がありました。さらに編集者や同僚から「センセイ」と呼ばれる「作家」のほうが、「ライター」よりもカッコイイかもな~......と思っていたので、飛びついた次第です。

......で、その時、自分が1ヶ月という限定された期間の中で書けて、しかも顧客層が厚いジャンルである「歴史」というテーマを、なにげなく選択したのがすべての始まりだったといえます。

Fotolia_45723781_Subscription_Monthly_M.jpgアートやクラシック音楽好きが高じて、ヨーロッパの歴史の知識と経験が増えた

大学時代は、ヨーロッパを中心にぶらぶらと旅行しているのが好きでした。もともと「歴史」は好きでしたが、それ以上にアートやクラシック音楽のほうが大好きで、フランス、イタリア、北アメリカ、イギリス、オーストリア、スペイン、ドイツなど各国に数週間~1ヶ月弱ほど滞在する「中期旅行」を続けていました。当地のオペラハウスや美術館、それから古いお城などをめぐる中で得た知識と経験があったので、「歴史」というテーマを書いてみようと思ったのだと思います。このように、様々なジャンルにわたる知識は、現在でも僕の作家活動の根幹といえる部分です。

そう、現在では僕は日本史を中心とする作家活動を展開していますが、実は世界史からキャリアをスタートさせていたのです(笑)。それでは、なぜ私が『乙女の日本史』のオファーを受け、しかも古代から近現代までにわたる通史的な内容を、1ヶ月半~2ヶ月ほどの間に書き上げることが出来たかについてお話すると、それはチャレンジしたかったから、ですね。次回に続きます。

© 堀江宏樹

 
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著者情報

ホリエヒロキ

堀江宏樹

歴史エッセイスト・作家。1977年生まれ、大阪府出身。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。大学在学中からフリーランスライターとして文筆活動を開始。『仰天! 歴史のウラ雑学 後宮の世界』(竹書房)で作家デビュー。性別を超えた独特の論調で、幅広いファン層をもつ。

最新刊としては、角川文庫版『乙女の日本史 文学編』が2015年7月25日、幻冬舎新書として『三大遊郭 江戸吉原・京都島原・大坂新町』が9月30日に発売。『乙女の真田丸』が10月中に発売(主婦と生活社)。
好評既刊に『乙女の松下村塾読本 吉田松陰の妹・文と塾生たちの物語』(主婦と生活社)、『女子のためのお江戸案内恋とおしゃれと生き方と』(廣済堂出版)など。監修として参加の、音楽家バトルファンタジー漫画『第九のマギア』(メディアファクトリー)の第一巻も発売中。

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堀江宏樹

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