ノウハウをいつでも。ウェブマーケティングのポータルサイト

歴史本『乙女の日本史』に見る書籍制作の裏側とヒット戦略

マーケティング

005『乙女の日本史』企画の裏側を大公開!読者目線の売れる本作り秘話

このエントリーをはてなブックマークに追加
      
follow us in feedly
友だち追加数
僕の作家デビュー作『後宮の世界』や、その販売成績が好評だったので続篇のように書かれた『フェティシズムの世界史』という著作では、大半が日本以外の世界史コンテンツ、ときどき江戸時代の大奥や平安時代の朝廷ネタといった日本史コンテンツが挟まれる......という形式を取りました。

こうして作家デビューしたものの、日本ではやはり圧倒的に世界史より、日本史コンテンツのほうがニーズが多いと感じることは多かったですね。しかし、以前お話したように日本史コンテンツといえば、まず作り手は「研究者以外は書くのすら難しいジャンル」といわれ、読者も中高年以上の男性だけの牙城だったのは事実でした。

ところが五年前には、日本史コンテンツには新風が巻き起こりはじめていました。具体的には『戦国バサラ』などの日本史を大胆リメイクしたゲーム作品の登場ですね。『バサラ』ではキャラクター化された戦国武将のイケメンぶりもあって、これまで日本史とは縁がなかった若い女性の興味が、歴史そのものに対しても高まっているのを、ゲーマーではない僕自身も強く感じていました。女性向けの日本史ってアリじゃないのか、と。

僕と同じように、女性向けの日本史入門書のニーズをヒシヒシと感じていたのが、自身も「歴女」であり、後に『乙女の日本史』を共に作ることになった滝乃みわこさんでした。彼女とは、ある女性週刊誌の編集者である共通の知人から紹介を受けて知り合い、何度か仕事を一緒にする中で「何か本を作れたらいいね」と話し合っていたのです。その上で、滝乃さんが私に、「女性向けの日本史入門」という趣旨で、その名も『乙女の日本史』という単行本企画を、東京書籍という版元でやってみないか......と言ってくれたのですね。

タイトルが書籍の執筆以前から完全に決定していることは、基本的には少ない例だと思います。しかし『乙女の日本史』がそれだけ、ブレのない企画だったということの証明でもありました。また、それゆえに、比較的短期間でも原稿を書き上げることが出来たのと思います。......とはいえ、とくに日本史関係者というわけでもなかった自分がいきなりアレを仕上げるのはなかなか苦労なことで、数百冊に及ぶ書籍を読んでイメージを膨らませつつ、同時に執筆作業もつづけるというハードな日々が続いたのを覚えています。

実績が次なる実績を生む

さて『乙女の日本史』のように「こういう本を出したいので、その原稿を書いてください」というオファーを受けた他の例としては、大和書房の『ドラマティック百人一首』や、私が原案・監修を勤めた芳文社での百人一首マンガ『うたもゑ』などがあります。

ドラマティック百人一首
超訳マンガで百人一首!うたもゑ

『乙女の日本史』以外のタイトルは出版前に編集者との協議の上で決定していきました。ちなみに『ドラマティック百人一首』を読んでくださった芳文社の方から、『うたもゑ』のオファーは来たので、実績が次なる実績を生む「キャリア重視」の世界であることがおわかりいただけるかと思います。

また「あなたの本を読んだので、ウチでもなにかの仕事してください」というカタチでのオファーもあります。『乙女の日本史』のセールス成績が非常によい時には、かなりたくさんの(別の)出版社から続篇の要望はありました。

また僕に企画の大半をゆだねて下さる場合もあり、たとえば集英社(集英社クリエイティブ)の『藩擬人化漫画 葵学園』などはそうやって生まれました。こうした場合でも何度か企画会議があり、そこで企画の大筋や、複数の編集者から経営者にいたる意見までもが反映され、最終的にひとつの企画として決定、完成されていきます。

次ページ 出版社/ユーザーが求めるもの

© 堀江宏樹

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
   
follow us in feedly
友だち追加数

著者情報

ホリエヒロキ

堀江宏樹

歴史エッセイスト・作家。1977年生まれ、大阪府出身。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。大学在学中からフリーランスライターとして文筆活動を開始。『仰天! 歴史のウラ雑学 後宮の世界』(竹書房)で作家デビュー。性別を超えた独特の論調で、幅広いファン層をもつ。

最新刊としては、角川文庫版『乙女の日本史 文学編』が2015年7月25日、幻冬舎新書として『三大遊郭 江戸吉原・京都島原・大坂新町』が9月30日に発売。『乙女の真田丸』が10月中に発売(主婦と生活社)。
好評既刊に『乙女の松下村塾読本 吉田松陰の妹・文と塾生たちの物語』(主婦と生活社)、『女子のためのお江戸案内恋とおしゃれと生き方と』(廣済堂出版)など。監修として参加の、音楽家バトルファンタジー漫画『第九のマギア』(メディアファクトリー)の第一巻も発売中。

他の参加者を見る

堀江宏樹

関連記事

マーケティングノウハウ足りてますか?

MAKEPOのメルマガ…購読してみませんか?
直近のピックアップ記事のほか、セミナー・ツール活用情報など不定期でお伝えしています。「サイトにアクセスするのは面倒だ!」「電車の中でざっくり読みたい」という方は是非ご登録ください。 リアルタイムで情報取得をしたい方は、RSSまたは公式Twitterをフォローしてご覧ください!

通勤中の情報収集に!

メルマガ登録

いますぐ新着情報を知るなら

LINE@で友だちに追加!