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歴史本『乙女の日本史』に見る書籍制作の裏側とヒット戦略

マーケティング

007【最終回】メディアを上手に活用した地道な営業活動~クリエイターにとっての最高のプロモーションとは?

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極めて個人的な感覚ですが、『乙女の日本史』の単行本がヒットした時も、本の認知度は上がってはいましたが、堀江宏樹という作家への認知度は同時には上がってくれなかったという苦い経験があります。
ただ、これもインターネット上でのお仕事をこなす中で、次第に改善されているような気がします。MAKEPOを始め、マイナビウーマンなどでウェブ連載をはじめさせていただく中、7月末には歴女子会のウェブTVに『乙女の日本史』のプロモとして、滝乃さんといっしょに出演させていただいたりもしました。ネットでの露出を通じ、次第に作家としての認知度も高まってきているのではないかな......と感じています。

インターネット上の住民といかによい関係を保てるかどうかは、あらゆるジャンルのクリエイターにとって必須だと思いますね。

テレビは、果たしてオワコンなのか?

伝統的に書籍のプロモーションといえば、雑誌や新聞などに記事として取り上げてもらうこと。あるいはそれらに広告を出すこと。そしてテレビやラジオに取り上げられることも出版業界では重視されてきました。

ただし、最近では書籍と同じく(笑)、「オワコン」だのなんだかんだいわれているのがテレビなんですよね。私の所感では、依然として影響力のあるメディアだとは思います。『乙女の日本史』は2009年夏に単行本が発売された後、同年秋の「王様のブランチ」内のブックレビューのコーナーで紹介していただく機会がありました。おそらく番組の想定視聴者と、『乙女の日本史』という本の想定読者は非常に被っていたのだと思います。その直後にamazonでの書籍売り上げ一位になるなど、強い宣伝効果に驚いたものです。

Fotolia_38962099_Subscription_Monthly_M.jpgテレビの持つ力はまだまだ健在?

『乙女の日本史』だけでなく、他の著作もテレビやラジオの番組の中で「作品を取り上げさせてください」ということも何度かあり(知らないうちに、勝手に流されていたりすることもあり)、僕自身がテレビに出演したり、コメントを出したりする機会も何回かありましたが、こういう場合は正直なところ、販売成績の数字にどの程度影響してくれたかはわかりません(笑)。

しかし、より多くの人に堀江宏樹という書き手を知ってもらえたという効果は、本当に少しの時間の出演ですら、ありましたよ。とくに番組については連絡していなかった友人知人からも「見たよ!」というメールや電話が来ましたので。まぁ、その感想も「(堀江の)肌がキレイ」とかよくわからない方向からでしたが。

ただし、インターネット上でのプロモに比べると、テレビでのプロモは「成功した」場合でも、主に瞬間的に、爆発的な情報拡散が行われる......という印象があります。あと最近の視聴者は、テレビ番組や本で何か面白いものを読んでも、それ以上、知ろうとしてくれない、素っ気ない傾向も強いですね。インターネットではページとページをリンクさせるという便利な機能があり、どんどんめんどくさがりになっていく視聴者と情報をワンクリックでつなぐことが出来ます。両方のよいところを組み合わせることにより、効率的なプロモーションができているのかもしれません。

Fotolia_55558703_Subscription_Monthly_M.jpg

つまり、最高のプロモーションとは?

さて色々と書いてきましたが、作家としての一番望ましい在り方を貫くこと......それこそが最高のプロモーションなのではないでしょうか。つまり、作家自身が「愛されるように生きる」に尽きると思うんです。

まず編集者を始めとして、作品を世に出すために尽力してくれる人がいるかどうか。クリエイターとして愛されているかどうか。自分の熱心なファンが編集者内に何人いるかどうか......それらが業界内での生き残りを決定する、ということです。同時に、愛されるに足る作品を書き続けられているかという問題でもありますが。

確かに作品がまったく売れなければ、厳しい世界ではあります。一方、そこまで売れていなくても仕事が途切れない作家がいるのは事実です。それは編集者にクリエイターとして愛されているからですね。
ある程度売れていると「この人は売れてるから作品を出したい!」という「だけ」の編集者もやってきます。が、作家として大事にすべきなのはそういう編集者より、あなたを一人のファンとして支えてくれてる編集者です。そこでのギャラが多少、安かったところで、そのルールはゆるぎません。
もちろんクリエイターとして愛されるには作品を作っていればいいだけでなく、締め切りを守れること、アイデアが豊富なこと、努力を惜しまないこと......などなど、社会人としてのルールを最低限守れる人物であることは必要ですよね。

以上は、編集者でもある滝乃みわこさんからのアドバイスです。僕から付け足しておくべきというか、言っておきたいのは、最初の原稿料が支給されるまでに、確定申告の勉強は、しておきましょう......ということですかね。節税は、来年度の収入がとにかく不安定な自営業者にとって重要ですよ。

最終回、まとめのまとめ

さて、"ヒット作"『乙女の日本史』の裏側を読み解く......という趣旨の原稿を今回まで7回にわたって書いてきました。『乙女の日本史』を語ることは、作家としての僕、つまり堀江宏樹自身を語ることに直通しているのだ、と改めて思い至った次第です。また今回の連載であらためて気付いたのは、ウェブで作家みずからPRすることの意味ですね。

あらためて振り返ると、今回の連載は、MAKEPOに僕が相談を持ちかけ、開始されました。そもそも当初は「PR用の原稿を掲載してもらえないか?」という僕からの大変にシンプルな依頼でしたが、MAKEPO側から逆に提案されたのが、今回のような連載案だったのです。

シンプルすぎるPRでは、載せたところであまり読まれない。そうするのではなく、たとえば『乙女の日本史』製作の裏側、および堀江の作家としての考え方などをまとめたモノが出来ないか、その方がより多くの人に読んでもらえるだろうし、双方にとって良いのではないか......ということでした。いわゆるネット用語の誘導/集客の設計というやつですね。

nagare.png

文字数の制限がとくにない、ネット媒体ならではのレスポンスだったと感じます。インターネット以前の時代では、書籍のPRいや、それだけでなく様々な商品のPRを、雑誌や新聞などが引き受けてきました。現在でもその伝統は続いていますが、それには、雑誌や新聞のあるコーナーの方向性や規定の文字数に合わせてPRも行うしかないというのが絶対条件でした。

一方、今回のMAKEPOの提案を受けて、自由に効果的な宣伝方法が考えられました。思えばネット媒体でも方向性がかなりハッキリしている媒体もあるのでしょうが、ラッキーでした。ネット記事の基本は無料で、読者層を限定しにくいことは事実です。ピンポイントで濃いPRをしたい場合には不向きなのかもしれません。紙媒体、ネット媒体という各種メディアの特性については、この頃考えることが多かったのですが、いくらネットに文字数がないとはいえ、可読性は大事です(笑)。

そろそろ長くなりすぎました。今回の私のコラムが作家だけでなく、各種クリエイター志望の方のご参考にでもなれば、と思います。ご愛読ありがとうございました!

『乙女の日本史』絶賛発売中!

  • 著者:堀江宏樹・滝乃みわこ
  • 出版社:KADOKAWA/角川書店

さよなら「おじさん史観」! 今こそ語ろう、乙女目線の日本史。
巷にあふれる「男のための日本史」にツッコミいれつつ乙女目線で日本の歴史を読み直す、日本初「女子のための日本史本」誕生!

© 堀江宏樹

 
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著者情報

ホリエヒロキ

堀江宏樹

歴史エッセイスト・作家。1977年生まれ、大阪府出身。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。大学在学中からフリーランスライターとして文筆活動を開始。『仰天! 歴史のウラ雑学 後宮の世界』(竹書房)で作家デビュー。性別を超えた独特の論調で、幅広いファン層をもつ。

最新刊としては、角川文庫版『乙女の日本史 文学編』が2015年7月25日、幻冬舎新書として『三大遊郭 江戸吉原・京都島原・大坂新町』が9月30日に発売。『乙女の真田丸』が10月中に発売(主婦と生活社)。
好評既刊に『乙女の松下村塾読本 吉田松陰の妹・文と塾生たちの物語』(主婦と生活社)、『女子のためのお江戸案内恋とおしゃれと生き方と』(廣済堂出版)など。監修として参加の、音楽家バトルファンタジー漫画『第九のマギア』(メディアファクトリー)の第一巻も発売中。

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堀江宏樹

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