ノウハウをいつでも。ウェブマーケティングのポータルサイト

東京ディズニーリゾートのマーケティングを語る

マーケティング

009【事例紹介】企業がお手本にすべき東京ディズニーリゾートのTwitterキャンペーン

このエントリーをはてなブックマークに追加
      
follow us in feedly
友だち追加数
連載第7回では、ディズニーファンがTwitter上に築き上げている、インタレストグラフ(興味を同じくする繋がり)の規模の大きさ、影響力について、紹介した。

この環境が生まれたのは、版権に厳格なはずのディズニーが、個人のブログやソーシャルメディアへの画像UPなどを、一切規制せず、ファンが自由を得ているからだ。

さらに、連載第8回では、「SNSマーケティングを成功させるためには、高い忠誠心を持ったファンが不可欠である」という事実を確認した。

では、この圧倒的な規模のインタレストグラフと、高い忠誠心(ロイヤルティ)を持ったファンの存在があると、どのような成果が生まれるのだろうか。

東京ディズニーリゾートのSNSマーケティング、とりわけ近年開催しているTwitterキャンペーンを見ていこう。

2013年「マジカルドリームライト」Twitterキャンペーン

私がリアルタイムで見ていて、その見事さに感銘を受けた最初のキャンペーンが、2013年8月23日~27日の日程で開催された、「マジカルドリームライト」Twitterキャンペーンである。

「マジカルドリームライト」Twitterキャンペーンを開催! | 東京ディズニーリゾート・ブログ

「マジカルドリームライト」は、東京ディズニーランドの根強い人気を誇る夜のパレード「東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツ」に連動して光る、画期的なワンド(杖)だ。

エレクトリカルパレードのフロートが近づくと、フロートのライティングと連動して、パレードの音楽に乗って、リズミカルに点滅する。

今までは、鑑賞するだけだったエレクトリカルパレードだが、「マジカルドリームライト」があると、まるで、自分がパレードの一部になったように感じられ、参加しているような気分になる。

また、「マジカルドリームライト」は目立つため、フロート上のミッキーマウスたちに見つけてもらいやすくなり、コミュニケーションが楽しめるというファンもいる。

Twitterキャンペーンの仕組み

「マジカルドリームライト」発売初日(2013年9月9日)に合わせて、

  • マジカルドリームライトを無料で提供
  • その日のエレクトリカルパレードを専用エリアから鑑賞(体験後に感想をツイート)

という権利が得られる、100組200名を、Twitterで募集した。

東京ディズニーリゾート公式Twitter(@TDR_PR)をフォローしたうえ、自身の「アカウント名」と、ハッシュタグ「#ディズニー魔法のお手伝い」をつけて、「エレクトリカルパレードで好きなシーン」をツイートすると、応募となる。

Twitter - #ディズニー魔法のお手伝い の検索結果

プロモーション費用の破格の安さ

まず特筆すべきは、プロモーション費用の安さだろう。マジカルドリームライトは1本2,500円程度、原価率は不明だが仮に50%とした場合、200本で25万円程度だ。

もちろん、イベント企画をしたり、専用の鑑賞エリアを設けたり、受付をしたり、と人件費はかかるが、それにしても年間4,000億円近い売上高を誇る企業としては、破格の低費用キャンペーンだ。

驚くことに、パークへの入場チケットでさえ、参加者負担なのだ。

それでいて、当選者の大半が、当日に足を運んだようだ。用意した専用鑑賞エリアに参加者が入りきれないくらいだったと、Twitterで情報が流れていたのを記憶している。

一般的な企業が同じキャンペーンをやっても、まずこうはいかない。熱心なファンが数多く存在してこそだ。

応募そのものがプロモーションとして機能する

では、このキャンペーンで、どのような成果が出たのだろうか。

まず、キャンペーンへの応募で、たくさんのファンから、約900件の「エレクトリカルパレードで好きなシーン」がツイートされた。

このような具合だ。言うまでもないが、エレクトリカルパレードの魅力を語るツイートが、(私の手集計で)約900件も発信されたのである。ファンなら「わかるわかる!」と頷かずには居られないような内容ばかりだ。

キャンペーンへの応募そのものが、パークのプロモーションになっており、無駄がない。

感動体験がまたたく間に拡散

また、「マジカルドリームライト」体験後には、感想をツイートすることが義務づけられていた。

参加した100組200名から、当日9月9日、翌日10日に、約700件のツイートが発信されたと見られる。

キャンペーン当日、翌日の #ディズニー魔法のお手伝い ツイート検索

見てのとおりの、感動・感激の嵐である。

私は、この日のパークの様子を、取材陣の一人として見ていたからわかるが、「これぞディズニーマジック」と言いたくなるような、本当に素晴らしいものだった。

パレード通過直後には、一体感に興奮したキャンペーン参加者たちから、自然に拍手が湧き起こっていた。

おそらく株式会社オリエンタルランドのマーケティング担当は、「マジカルドリームライト」で得られる体験に、自信があったのだろう。

そして、「その感動を広く伝える方法はないだろうか......」と考えたに違いない。Twitterキャンペーンがうまくハマったと言える事例だ。

一般企業は「25万円あれば、フォロワー獲得コスト100円/人として、2500人くらいフォロワーを増やせるかな......」などと考えるかもしれないが、これがいかに貧しい発想なのかがわかるだろう。

企業がお手本にすべき一石五鳥のTwitterキャンペーン

しかもそれだけではない。キャンペーン当日は、ハロウィーンイベントの初日でもあり、プレスが取材に訪れていた(私もその一人だった)。

「マジカルドリームライト」は、一つ一つは小さな光だ。「マジカルドリームライト」が生む体験の素晴らしさを伝えるには、100人規模のエキストラが必要だった。

報道陣、メディア関係者は、この日の様子を見て、「マジカルドリームライト」がいかに素晴らしく、ディズニーマジックを体現する画期的なものであるか、よくわかったはずだ。

つまりTwitterキャンペーンは、エキストラ調達の意味もあったのである。

  1. 低予算で実現
  2. キャンペーンを通じたフォロワー増加(応募の条件となっている)
  3. 応募そのものがパークのプロモーションに繋がる
  4. 感動体験をファンに広く伝える
  5. 報道陣・メディアの取材対象エキストラ調達

以上のように、「マジカルドリームライト」Twitterキャンペーンは、一石二鳥どころか、五鳥にも六鳥にもなる、素晴らしく機能的なキャンペーンだった。

広報・マーケティング担当者、SNS運用担当者のあなたにとって、きっとお手本になる事例のはずだ。

© MAKEPO

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
   
follow us in feedly
友だち追加数

著者情報

ヨリカネケイイチ

寄金佳一

1979年生まれ。横浜市在住。『D*MANIA』ディレクター、フリーライター、ブロガーとしての活動を中心に、WEBライティング講師や、WEBマーケティング&メディア運営アドバイザーを手がける。

他の参加者を見る

寄金佳一

関連記事

マーケティングノウハウ足りてますか?

MAKEPOのメルマガ…購読してみませんか?
直近のピックアップ記事のほか、セミナー・ツール活用情報など不定期でお伝えしています。「サイトにアクセスするのは面倒だ!」「電車の中でざっくり読みたい」という方は是非ご登録ください。 リアルタイムで情報取得をしたい方は、RSSまたは公式Twitterをフォローしてご覧ください!

通勤中の情報収集に!

メルマガ登録

いますぐ新着情報を知るなら

LINE@で友だちに追加!